偏差値が高い学校=第1志望で大丈夫?

安浪:第1志望って何年生で決定するかは人によると思いますが、本人が4年、5年からずっとA校が第1志望と言ってきて、今でも本人が本当に受けたいと思っているんだとしたら、やはり悔いがないように、たとえ偏差値が10ぐらい届いていなくても受けさせてあげたほうがいいと思うんです。その代わり、それ以外の併願校はちゃんと固めておく必要があります。でも子どもって、まわりのみんなもA校って言っているから自分も、という見栄とか、ずっとA校と言ってきたから引っ込みがつかなくなって、B校に変更したいと言い出しにくいだけ、ということもあるんです。

矢萩邦彦さん

矢萩:塾でも「期待しているぞ」とか言われたりしますからね。あと志望校をA 校からB校にしたら親ががっかりするんじゃないかとか、意外とそんなことを思っているケースもあります。だからこそ、子どもの気持ちをしっかり聞かないとわからないです。

安浪:いったん、今の偏差値の話は抜きにしてね。

矢萩:そうそう。僕は第1志望、第2志望っていう順番をどうやって決めるのか、というところをいったん整理したほうがいいなと思っているんです。多くの場合、特に関東圏だと志望校がいくつかある場合、その中で偏差値が一番高い学校を第1志望としているケースがほとんどだと思うのですが、それで本当に大丈夫ですかっていう。やっぱり第1志望と言うんだったら本人が本当に好きで、一番行きたい学校にしてほしい。だから第1志望のほうが第2志望より偏差値が低いということがあっても全然いいんです。偏差値じゃなくて一番行きたい学校をちゃんと第1志望に設定できているのかどうか、というところが大事なんです。

安浪:先日も私のVoicyで「子どもがこの学校は無理そうだからこっちの学校にすると言っているけれど、これは逃げじゃないですか?」という相談があったんです。逃げの子もいるかもしれないけれど、それによって安心して勉強がよりはかどる子もいるかもしれない。なぜ志望校を変更したいのか、どれだけその学校に本当に行きたいと思っているのかは、ちゃんと腹を割って話さないとわからないです。

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