さらに高校時代。雨の日に「じゃあ今日は保健の授業をやろう。今日は避妊の話になるぞ」と体育の先生が言ったんです。みんなでドキドキしながら授業を受けたのですが、先生は肝心の話になると教科書を見ながら「で、そのページの下に書いてあるから、各自見ておけ」と言ったのです。

「コンドーム」の「コ」の字にも触れないし、ピルなんて言葉も出なかった。正直、驚きました。さらに、その授業は「あのキャラクターの先生が、こんな授業をした」という、「おもしろさ」のほうに注目が集まったんです。「あの先生、そういうことは言わなそうだよね」「やっぱり言わなかったね」なんて。そのとき、私は17歳ながら「いやちょっと待って、これって……いいの?」と思ったんです。

性教育の師匠は、ふたりの姉たちです

――SHELLYさんのご家庭では、避妊についての話題もオープンにされていたのですか?

 生理など、からだにまつわることは母がきちんと教えてくれたのですが、セックスや避妊といったカテゴリについて教えてくれたのは、インターナショナルスクールに通っていたふたりの姉たちです。

 姉たちも、私に大切なことをたくさん教えてくれました。そして、いつも言われていたのが「コンドームを使わない男なんて、つき合う価値ないからね」「絶対つけなくちゃだめだよ」ということ。ですから、情報は当時の同級生に比べるとかなり豊富だったのです。

 あるとき、こんなことがありました。学校で、友達が初体験の報告をしてくれたのですが、そのエピソードにコンドームが登場しないのです。そこで、話の途中で「コンドームはしたの?」と聞いてみたのです。すると「してないよ、だって向こうが持っていなかったから仕方ないじゃん」と言うのです。そこで「え!? そんなのダメだよ。コンドームがないなら、しなければよかったのに」と直球の正論をぶつけて、その場がギスギスした空気になってしまいました。大切な友達にわかってほしくて「自分のからだは自分で守らなくちゃ」と言ってみたのですが、なかなか伝わらなかったですね。

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