おすすめポイント

 トランプのジョーカーと別れて、机の裏から抜け出した途端、子猫がえんぴつ太郎に飛びかかってきて危機一髪! なんとか子猫にかじられずに部屋の隅にある戸棚に飛び込んだところで、子豚の指人形との新たな出合いが待っています。

 テンポよく冒険が進み、飽きることなく読み進めていくことができるのが、このおはなしの魅力の一つです。

『えんぴつ太郎のぼうけん』(鈴木出版)より

 いつもはおもちゃ箱にいるはずが、男の子が戸棚に入れたことを忘れてしまってずっと戸棚にいるという子豚の指人形。見つけてくれるまでじっと待つだけという子豚を気の毒に思ったえんぴつ太郎は、男の子へ手紙を書いて居場所を知らせようと提案します。

 お父さんと男の子がたくさん使ってくれたから、えんぴつ太郎は字を知っているのです。小さなえんぴつが知恵を絞って人助けならぬ“子豚助け”をする姿は、どんなに小さな存在でもできることがあることを教えてくれます。 

 子豚の悲しみを自分事のように受け止めて今にも泣き出しそうな顔、手紙を書くことを思いついた時のうれしそうな顔など、えんぴつ太郎の豊かな表情も見どころです。えんぴつ太郎といっしょに、いろんな感情を味わってみてください。

 すべての見開きに挿絵が入っているので、お子さんがひとりで読むのが難しそうなら、大人が読み聞かせてあげるのもおすすめです。

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