幼少期に絵本はたくさん読んでくれたけど、絵本の次のステップにはどんな本がいいんだろう?――。そんな悩みを抱えるママ・パパに向けて、幼年童話を中心に、絵本から読みものへの橋渡しとなるおすすめの一冊を紹介します。

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あらすじ

「エンヤラ、ドッコイ。エンヤラ、ドッコイ……」どこからか聞こえてくるおかしなかけ声。だんだん近づいてくるみたい……。正体は、50人乗りのカヌーで南の島へやってきたペンギンの探検隊でした。

 先頭で帽子をかぶり双眼鏡をぶら下げるのが「たいちょう」。続いて「ふくたいちょう」。さらに後ろでノートを抱えているのが「ふくふくたいちょう」。浜辺にドッとカヌーをのりあげ、ぴょこん、ぴょこんと次々飛び降りて、島の探検開始です。

 ヤシの林を抜け「エンヤラ、ドッコイ」と一列になって草原、ジャングルへ。ライオンやヘビといった危険な動物に会っても立ち止まりもしないペンギン探検隊。目的はいったい何なのでしょうか……?  シリーズ累計30万部を超えるロングセラーの第一作目。

おすすめポイント

 先頭から「たいちょう」「ふくたいちょう」「ふくふくたいちょう」と続くので、四人目は「ふくふくふくたいちょう」と思ったら……「そうではありません。四ばんめから五十ばんめまではふつうのたいいんです」という、とぼけた調子の文章に、クスッと笑っちゃいます。

 「百獣の王」ライオンに出合っても、ペンギンたいちょうは「ぼくたちは……、」と言っただけで立ち止まりもせず、続けて「ペンギン探検隊だ!」と言うのがふくたいちょうとふくふくたいちょう。残りのペンギンたちはうんうんとうなずくだけで歩いていきます。その様子がなんともマイペースで……。目を点にして見送るライオンの顔、たたずまいがおかしくてたまりません。

 ライオンもニシキヘビもワニも「ペンギン探検隊だって? いったい何を探検するんだ?」と疑問だらけでぞろぞろ探検隊の後をついていきます。高畠純さんのイラストが、斉藤洋さんのユーモラスな文章にこれ以上ないくらいマッチし、はじめから終わりまで楽しく読める童話です。

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大和田佳世
ライター 大和田佳世

絵本・児童書のライター。出版社勤務を経て2009年よりフリーランスに。絵本・児童書情報サイト「絵本ナビ」や朝日新聞社が運営する本の情報サイト「好書好日(こうしょこうじつ)」などの他、雑誌「MOE」、出版社の各Webメディアで執筆。作家、翻訳家へのインタビュー多数。子どもは小中高の3人。

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