理想の自分がいるのは悪いことじゃないし、ときにはそれが原動力になることもある。空想をしているだけで「楽しい!」と思えていたらそれも全然悪くないと思う。でもいまの君は、理想の自分と現実の自分の乖離が苦しいからよしおに相談を送ってきてくれたんだよね。空想力はとっても素敵な才能だから、空想力をどう使っていけばいいのか、そしていまの苦しさからどう抜け出せるのか、一緒に考えてみよう!

■“人気者”ってどんな人?

 まずよしおがおすすめしたいのが、自分の中にある空想をとにかくアウトプットすること。文章でもいいし、絵でもいいから、とにかく一回頭の中から出してあげるんだ。

 よしおは悩んでいるときとか、頭の中がごちゃごちゃになって整理がつかないときは、ノートにその内容を書き出してみたり、動画を回していま考えていることをとにかく言葉にしたりしている。そうすると不思議とすっきりするんだ。べつに誰に見せるものでもないから、恥ずかしいって気持ちもないよ。

 ご飯を食べたとき、それがずっと胃の中にあったら腐っちゃうよね。それと一緒で、同じ空想が頭の中でぐるぐるしていたら、煮詰まって崩れちゃうと思うんだ。空想も定期的に外に出してあげると、また新しい空想が思いつくかもしれないしね。

 アウトプットするときに、物語をつくるのもいいんじゃない? 空想が何時間もできるのは才能だから、それをもっと現実から離して膨らませられたら、この世にはないSF小説が誕生するかも。理想の自分には実は妖怪に取り憑かれているとか、魔法使いの一族でバレたらいけないとか、何か加えてみたりしたら面白そうだよね。

 理想の自分を突き詰めるでも、もちろんOK! フィクションだって割り切れば、どんなに自分と乖離していようが関係ないしね。もしかしたら乖離すればするほど、魅力的なお話ができあがるかも。

 理想の自分を突き詰めるほど、「これは本当に理想の自分なのか……?」って疑問がわいてくるかもしれないね。いま君が理想とするのは「人気者で頭がよくて何でもできる」自分みたいだけど、人気者ってみんながみんな「頭がよくて何でもできる」人なのかなあ。

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