矢萩:塾側もそうなんです。なぜ1対2とか1対3というサービスを提供しているかというと、コスパがいいんですよ。つまり、儲かる。
■今はそんなに焦らなくていい
安浪:多くの1対2は、大学生一人が中学生の英語と5年生の算数を同時に教えるイメージです。つまり、一緒に学ぶ相手が自分と属性が全く違うことが多いし、教える側にも専門的な知識がない場合がほとんど。百歩譲って教える相手が同じ4年生の算数だったとしても、レベル差は絶対にありますし、どんどん質問する子が有利です。説明は二人に向かって同時にしますが、個別指導である以上、問題を解かせた後は個別に指導しなければならないので、問題を解いている横でもう一人の生徒と先生が話していると当然気が散って集中できません。個別なら絶対1対1をおすすめします。
矢萩:1対2や3の個別は教える側の採用基準も曖昧だし、研修をきちんとやっているところはほとんどない。そういう塾の内部構造をそれなりに見てきているので、安心して預けられないですね。もちろん、いい先生に当たる可能性はあるかもしれないけれど、先生探しは、宝くじを買うこととは違います。もちろん、子どもが本当にこの先生がいいって言っていて、入塾した後もその先生に当たるならいいかもしれないですけど。それにしても、他の個別指導も体験してほしい。最初に言ったように、個別だったら話を聞いてくれるのは当たり前なので。集団塾と個別を比べてしまうと、個別の方がよく感じてしまうのは当然です。対話が基本なのはもちろんなのですが、対話で終わってしまっては学習にならないわけで、そのあたりの質を見極める必要があります。
安浪:とにかく今はそんなに焦らなくていいと思います。まだ外部に頼らなくても4年生なら家でできることはたくさんあるような気がします。塾の先生に面談を申し込んで、うちの子だったらどの程度やればいいですか? どうやって勉強を回していったらいいですか?と相談してもいいかもしれない。とはいえ、すぐに相談するのではなく、まずはご家庭でしっかり考えてほしいですね。きっと見直せるポイントはたくさん出てくるはずです。まず第一に見直してほしいポイントは、喧嘩するより、娘さんができていることを認めて褒めちぎってあげて、気持ちを前に向かせてあげること。それだけでも親子でやる勉強はがぜん、はかどってくると思いますよ。
(構成/教育エディター・江口祐子)
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