安浪:小4で塾の授業についていけないとなると、うちの子は受験に向いていないと思います、高校受験にしたほうがいいのでしょうか、などおっしゃる親御さんは多いんですが、小4で向き、不向きはまだわかりません。4年でわからなかったことが5年になってスルッとわかったりしますから。4年ってまだ勉強の仕方も頭の使い方もわかっていなくて、それを一年かけて構築していく時期なんですよね。

矢萩:4年は本当に判断がつかない。算数でいうと4年生と5年生の算数って乖離があるわけですよ。全然違う。だから4年生でできる子が5年生になってからもできるとは限らない。それとは逆に、先ほど安浪さんがおっしゃったように4年生の段階では発達段階の問題で抽象思考ができなかったのに、5年生になって自然にできるようになるようなケースは少なくありません。どっちになるかはわからないので、正直対策はしにくいのは事実なんですが、とにかく、できる・できないを4年生で判断するのは時期尚早です。

■「私にでも解けるものはある」と思わせる

安浪:4年生で一番大切なのは、算数嫌い、勉強嫌いにしないこと。まずはできたことを褒める。全部ついていけないわけじゃなくて、できるところも絶対あるわけですから。全部ならしてできるようになることを目指さない。4年でやっていることは5年でも必ず出てきますから。

矢萩:そうそう。4年って「こういう問題があるんだ」というように、算数という教科で出題される問題のバリエーションを、目次的に知る期間でもあります。そのなかに面白そうなものやできそうなものを見つけていくマインドが大事ですね。

安浪:そうなんです、だから取っかかりやすい単元もきっとありますし、「私でもできることはある、解けるものはある」って思わせることです。それから、平日は忙しくて土日に最低限の塾の宿題をやっているとのことですが、それだけで塾についていくのはそもそも難しい。一週間のスケジュールを見直して、勉強のやり方を再考されることをお勧めします。平日も30分でいいから塾の宿題をするなど、まずは学習習慣をつけておかないと、この先つらくなってきます。その上で転塾して個別にするにしても、1対2はおすすめしません。皆さん1対2の個別を選ぶ理由って多くはお金ですよね。授業の質より、料金が手頃だという。

NEXT1対2は、塾にとってコスパがいい
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