■親族や家庭教師を頼る選択肢も
安浪:それは何より大切です。その実感が持てるかどうかで、安心感はかなり違ってきます。
矢萩:勉強面が塾だけに任せられないなら、やはり親族に頼むとか家庭教師に来てもらう、などの話になってくるでしょうね。勉強に関して親が見るべきか、見なくても大丈夫かは子どもの精神年齢や成熟度、あるいは元々自分でできる性質かどうかが大きく関わってきます。実際、僕が関わった受験生の中にも一定数、親が全く勉強に関わらなかったご家庭もあって、それで希望通りの進学をした生徒もいれば、思うような結果にはならなかった生徒もいました。もし自分だけである程度できる子なら声かけだけで大丈夫ですが、そうでないなら勉強面のサポートはやはり誰かに頼るしかないでしょう。ただ、個人的には僕はそれぞれの環境の中でベストを尽くすという経験が大事だと思っているので、親御さんたちにはあまり無理しすぎないで、と言いたいです。
安浪:ご相談者さんの文章を見ると、親御さんは本当は勉強を見てあげたいんだけど、それができないことに罪悪感を持たれているような気がしますね。もし、そうであるならば「パパとママは見てあげられないけれど、一緒に理社の知識確認だけでもやってくれる先生をお願いしようか」などと話して、学生さんでもいいから家庭教師をお願いすることもありかもしれません。外注することで、親子共に勉強に対する不安も払拭されますし、親御さん自身の罪悪感も減ると思うんですよ。
矢萩:ああ、それはありますね。
安浪:勉強を親がどれだけ見るか、見られるかは、家によって本当に状況がさまざまですからね。
矢萩:やっていることの質も違いますね。ひたすらドリルだけをやらせているご家庭もあれば、ただ答え合わせを手伝っているだけの場合もあるし、成績を見て口だけ出す場合もあるし(笑)。
安浪:6年の女の子っていろいろ難しいから、家庭教師を頼めば、先生としゃべることで毒出しにもなると思うんですよ。そういう意味では、親御さんが勉強にコミットできるご家庭でも、もし余裕があるなら、そういう第三者を入れることも風通しの確保にいいと思います。
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