矢萩:子どもにとっては、通い慣れた塾を変えることは恐怖です。ですから、急に変えるのではなくて、「迷いながらでいいから他もちょっと見に行ってみようか」といった感じで体験に行くとか、可能なら1つだけでなく、2つ、3つ見せてあげられるといいですね。それでも今の塾がいいと言うのであれば、それでもいいと思います。実際に見て初めて心が変わる、というケースは多いです。あと、お母様は国・算の2教科受験に心が動いているようですが、もともと理社が苦手ならそれでも問題ないですが、むしろ理社が好きなら、理社から国算の点数を上げていくことだってできますし、興味があったり好きだったりする教科を切ってしまうことによって勉強へのモチベーションが下がってしまうこともあるので、注意が必要です。

■なぜお子さんが「今の塾がいい」と言っているのか

安浪:お子さんはまだ5年生なので、この後どう変わっていくかわからないですよね。学校も6年生になってクラス替えがあれば、そこから生き生きとし始めて勉強もモリモリやり始めるってこともあるかもしれないし。そもそも、2科と言っているのは本人ではなくお母様ですよね。親心として、2科にして勉強の負担を下げ、もう少しユルめの塾で確実に合格を狙いたい、という気持ちがあるのだとは思いますが。繰り返しになりますが、お子さんがなぜ今の塾がいいと言っているのか、ここで頑張りたいと言っているのかを、とにかくリサーチすることが大事だと思います。

矢萩:不登校の原因がどこにあるのか、この文章からですと見えてこないですしね。果たして塾の勉強と関連があるのかもわからないですね。

安浪:そうなんですよね。最初に不登校になって塾をやめたって、書いてありますが、不登校になっても塾には行っているという子もいます。もちろん、心身ともに疲れてしまったタイプの不登校ならば、塾に行く気力がなくてやめるのもわかります。不登校の原因はいろいろあって、学校でいじめられた、先生と折り合いが悪い、などで学校に行きたくなくなる時もあれば、家庭が原因のこともあったりします。

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