――今後の課題はありますか。

 工学系にも興味をもってくれればいいな、と。生徒や保護者は昔のイメージで、工学というと「ガテン系で油にまみれている」という先入観があるようです。工学はものごとをコントロールする、バラエティーに富んだ可能生がある魅力的な分野です。

 ある媒体でそういう発信をしたところ、いろいろな会社から「本当にその通り。工学がわかる女子社員がほしい」と連絡をいただきました。クレーンを作っている加藤製作所からは「工場見学や体験にもぜひ来てほしい」と招待を受け、中2の生徒と保護者と出かけて、クレーンの試乗体験や、建機を設計している女性社員との懇談会に参加させてもらいました。

――奈良女子大が工学部を開設、お茶の水女子大が共創工学部(仮称)を開設予定と、女子大に工学部をつくる動きが出ています。東京工業大や東京理科大も入試に「女子枠」を設けると表明しています。

 生徒には「今がチャンスだよ」と、話しています。「女の子だから」という思い込みを捨てて学びの選択肢を狭めなければ、可能性は広がっていることを伝えていきたいですね。

(構成/柿崎明子)

真下峯子(ましも・みねこ)昭和女子大学付属昭和中学校・高等学校校長。埼玉県生まれ。奈良女子大学理学部卒業。埼玉県に理科の教員として赴任。埼玉県立川越女子高等学校教頭、埼玉県立総合教育センター指導主事、大妻嵐山中学校・高等学校校長などを経て2020年から現職。

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ライター 柿崎明子
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