2025年は青山学院が入試日を変更する「プチサンデーショック」の年でした。その影響や、大学付属校の人気はどうなったのか、中学入試の専門家たちに聞きました。
【ランキング】MARCHの合格者数が“10年間”で増えた首都圏中高一貫校(全2ページ)プチサンデーショックで青山学院が入試日を移動
2月1日が日曜日と重なる年を、中学受験では「サンデーショック」と呼んでいる。一部のキリスト教系の学校が入試日を変更し、受験生の併願パターンが変わるためだ。
25年度は2月2日が日曜日にあたる「プチサンデーショック」となった。青山学院(渋谷区)が入試日を2日から3日に変更したり、恵泉女学園(世田谷区)は3日間の入試をすべて午後に行ったりするなど、いくつかの学校で動きがあった。3日に入試を行わない、同じ付属の立教池袋や明治大学付属中野の志願者を取り込み、青山学院は昨年の912人から1188人と増加した。
また、恵泉女学園は、試験日は変えなかったものの入試をすべて午後にしたため、併願者が増え、1467人から1651人と志願者が増加した。2日に入試を行った大学付属は、男子校での伸びが目立った。2日の青山学院を受ける予定だった男子が、明治大学付属中野(中野区)や立教池袋(豊島区)に流れたと見られ、明大中野は1603人から1635人、立教池袋は586人から701人に増加した。
「今年は大学付属校が持ち直し、志願者が増加している学校も多い」(SAPIX教育事業本部長・広野雅明さん) という。難関の付属校は学校事に差があり、慶應義塾普通部(横浜市)は569人から675人と大幅増加、早稲田実業(国分寺市)も585人から608人と増加した。一方で早稲田(新宿区)は2315人から2268人、早稲田大学高等学院(練馬区)は416人から392人、慶應義塾(港区)は1315人から1235人、慶応義塾湘南藤沢(藤沢市)は614人から607人に減少した。
大学付属校の注目は、東京農業大学第一(世田谷区)だ。25年度から高校募集を停止して完全中高一貫校に移行し、さらに今年の入試から、今まで行っていなかった1日午前に入試日を設けたことで人気に弾みが付き、2688人から2937人に増加した。
次のページへ志願者を大幅に増やした理工系大学付属校は?