右上から時計回りに、上智大学の西澤茂教授、関西学院大学の丸楠恭一教授、郁文館高校e特進クラス1年生の保坂詩音さん、AERA編集長の片桐圭子
右上から時計回りに、上智大学の西澤茂教授、関西学院大学の丸楠恭一教授、郁文館高校e特進クラス1年生の保坂詩音さん、AERA編集長の片桐圭子

 10月27日、東京都文京区の郁文館夢学園で、高校生が上智大学と関西学院大学の教授に直接、「留学の心得」や「グローバルとは何か」といった質問をぶつける異例の「授業」が行われた。

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 郁文館夢学園は、郁文館高等学校と郁文館グローバル高等学校を併設する学校法人。この授業は、大学8校と企業4社がコロナ禍で激変したグローバル教育やビジネスについて語り合ったAERA 7月19日号の「NEW“GLOBAL”NEW NORMAL」がきっかけで生まれた。これを目にした同校の島村祥一教諭が、「うちの生徒たちにもこんな話を聞かせたい」とAERAスタッフにメールを送り、AERAスタッフの働きかけに二つの大学が応じたことで、90分の特別授業が実際に行われることとなった。

 当日は、上智大学経済学部の教授で高大連携担当副学長でもある西澤茂さん、関西学院大学国際学部教授で副学長、国際連携機構長も担う丸楠恭一さん、カナダ留学を控えた郁文館グローバル高校1年生、郁文館高校e特進クラス1、2年生など約130人の生徒たちをオンラインでつなぎ、AERA編集長の片桐圭子が司会を務めた。

 グローバル高校では、1年生の2月から1年間の留学がカリキュラムに組み込まれている。カナダの現地校1校につき1人ずつの留学が決まっているという現1年生は目下、それぞれに留学の準備中。教授たちには事前に、「留学中にこれだけはやっておくべきだということは」「大学の留学と高校の留学にはどんな違いがあるのか」といった質問が寄せられた。

 冒頭、関西学院の丸楠教授は「グローバルとは、国境だけではなくあらゆる境界を越えること」と説き、「他者との間に壁を作らない心の持ちようが大切です」と呼びかけた。西澤教授は「いまの価値観の延長線上に将来はない」と話し、「留学先ではリスクを取って一歩前へ出て行って」と、オンラインとはいえ緊張気味の表情の生徒たちの背中を押した。

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