【スクリーニングの条件】純資産30億円以上、3カ月以上連続流入、カテゴリーは「国際株式」または「バランス」(国内株式は該当なし)、シャープレシオ3以上。信託報酬の低い順にランキング。ベンチマークが同じインデックスの場合は信託報酬が最低のもの(同率ならトラッキングエラーの低いもの)を掲載。バランスは「株式重視型~安定型」や「30~70」などポートフォリオが異なるものは除外。アクティブ型で米国以外の単一国・テーマは除外。スクリーニングは2021年4月30日時点で確認可能なデータを使用。信託報酬は年率・税込みで、実質的な運用コストの合計を掲載。信託報酬または実質コストに幅がある場合は上限を掲載。データ提供:SBI証券
【スクリーニングの条件】純資産30億円以上、3カ月以上連続流入、カテゴリーは「国際株式」または「バランス」(国内株式は該当なし)、シャープレシオ3以上。信託報酬の低い順にランキング。ベンチマークが同じインデックスの場合は信託報酬が最低のもの(同率ならトラッキングエラーの低いもの)を掲載。バランスは「株式重視型~安定型」や「30~70」などポートフォリオが異なるものは除外。アクティブ型で米国以外の単一国・テーマは除外。スクリーニングは2021年4月30日時点で確認可能なデータを使用。信託報酬は年率・税込みで、実質的な運用コストの合計を掲載。信託報酬または実質コストに幅がある場合は上限を掲載。データ提供:SBI証券

 資産運用の主役として定着しつつある投資信託。6千本近くある投信は玉石混交だが、初心者が比較的安全に運用できるのはどれ? NGは? AERA 2021年5月24日号で金融のプロに話を聞いた。

【図】11位~30位はこちら

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 昨年末で302万人を突破した「つみたてNISA」、今年3月時点で193万人が加入する年金制度「iDeCo」。税制面が得なこれらの制度を使って投資信託(以下、投信)を買う初心者が急増している。

「この1年で投信の積立口座は1.5倍に増えました」

 と語るのは、ネット証券最大手のSBI証券投資信託部次長、仲岡由麗江さん。

 個人が買える投信の数は6千本近くあるが、投資が初めてでも安心して買える投信はどれか。仲岡さんに、金融のプロ目線でランキングを作ってもらった。

■繰り上げ償還リスク

「まず純資産総額30億円以上を一つの目安に。その投信がどれぐらいのお金を集めているかを示す数字です。純資産総額が少ない投信は人気のない投信ともいえるので、運用会社が運用をやめて繰り上げ償還されてしまうことがあります。運用資金が少なすぎると投資効率が悪くなるというデメリットもあります」

 安定運用の投信を選びたいので、「資金流入連続3カ月以上」という“ふるい”もかけた。

「大きな解約が続くと運用者が思うような運用ができなくなっている可能性が高まります。継続してお金が入っている投信を選びましょう」

 表の項目に数値は掲載していないが、とっているリスクに対してどの程度のリターンが得られるか、という運用効率のよさを表す「シャープレシオ」も選別基準に加えた。

 同じ株価指数に連動するインデックスファンドの場合は、値動きがほぼ同じなので、日々の運用コストである「信託報酬」が低いものを優先したうえで最終の順位付けをして、完成。

 さてランキング結果は? 1位は「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」。2位の「eMAXIS Slim米国株式」と中身はほぼ同じだが、信託報酬の安いSBI・バンガードがトップに立った。仲岡さんがSBI証券だから……という忖度はない。

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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“買ってもいい投信”に対し、避けたほうがよいのは?