同じ幸せでも、緑の多い場所で散歩をしたり、お気に入りの入浴剤を入れて長風呂をしたり、友達とお茶を飲みながら話したり……、少し時間と手間はかかるけれど、より安い方法で持続的に実現できる幸せを探しておくことをおすすめします。

そうすれば、お金も湯水のように出ていきませんし、幸せの量も増える気がします。

 なぜ私たちは、ものぐさになってしまうのでしょうか。たいていは頭と体が疲れていてうまく働いていないとき、人間は怠けたくなるものです。

よく眠り、日々の生活の中で頭も体もしっかり働くようにすることが、まず大切です。

 頭を働かせるというと大脳や小脳といった脳みそ部分ばかりを考えがちですが、人間の場合、体と手足まで含めて「すべて頭」と考えたほうがいいようです。

 最近は運動をすると頭がよくなるという研究成果が相次いで発表され、注目を集めていますが、それはそうだろうなと思います。

 体を鍛えることは脳の活性化につながります。よく歩いたり、動いたりして体を鍛える努力をすれば、自然と頭も鍛えられるのです。

 椅子に座りっぱなしでテレビやネットばかり見ていると、どんどん頭を使わなくなります。

 そうすると体と頭が衰えて「ものぐさ」になり、ものぐさになるからまたコストがかかるという悪循環が生まれてしまいます。

 この悪循環を断ち切るためには「ものぐさコスト」を自分が月々いくら払っているのかを確認し、少しずつでいいので減らしていくように心がけることです。

 浮いたお金は自分の楽しい趣味に使うもよし、ドルコスト平均法による投資信託のつみたてなどに回すのもいいでしょう。

「ものぐさコスト撲滅運動」、ぜひ一緒にやっていきましょう。

(構成/編集部・中島晶子、伊藤忍)

※『AERA Money 2022秋冬号』から抜粋

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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