アメリカの保育園でのクリスマス会。劇とおやつタイムだけの気軽なイベントでした(画像/筆者提供)
アメリカの保育園でのクリスマス会。劇とおやつタイムだけの気軽なイベントでした(画像/筆者提供)

 もうすぐクリスマスですね。12月に入ってから、劇に歌にとクリスマスの発表会に向けて練習に取り組んでいた保育園・幼稚園も多かったのではないでしょうか。

 アメリカの園でも、クリスマスの発表会は一大イベントでした。文字通り、一年で一番大きな行事だったのです。我が家の長女は非キリスト教系の保育園に1年、キリスト教系の幼稚園に1年通いましたが、どちらでも歌と踊り、劇を数週間かけて練習し、晴れの舞台で披露しました。コロナ前は保護者が鑑賞に招かれ、園児や先生と一緒にケーキやクッキーを食べたりクリスマスプレゼントをもらったりと楽しいひと時を過ごしました。

 クリスマス会の他に保護者が園に招かれる機会は、母の日と父の日くらいしかありませんでした。コロナ前からそう。だからこそクリスマス会の特別感は際立っていました。華やかな飾りつけと音楽に包まれて我が子とその友だちの成長を見られたことは、今でも特別な思い出として心に残っています。

 そんなアメリカから日本に引っ越してきて、驚きました。日本の園ではクリスマス会級のイベントが毎月のようにあるではありませんか。親子遠足、運動会、七夕、夏祭り、敬老の日、お芋掘り、展覧会──。参観日も年に複数回あり、子どもの様子を見る機会には事欠きません。アルバムには季節ごとに子どもの写真が並び、給食では旬の食材を使った行事食を出してもらえるので、子どもの食育も園任せでいいかと思ってしまうくらい。親としてはありがたいのですが、先生や職員の方は苦労が多いだろうなと思います。

 イベントは、当日はもちろん前後の準備と片づけも大変です。先日我が家はハロウィンのパーティに出かけたのですが、家を出発する時点ですでに疲労困憊でした。押し入れの奥からコスチュームを引っ張り出し、破れている箇所を繕い、長女の髪を仮装テーマに合わせて結って……え、長男、つなぎを着せたのにまたおしっこだと! 次男坊は靴下も帽子もひっぺがすし、お菓子を受け取る用の袋は今用意したと思ったら誰かがどこかに引っ張っていっちゃうし、もうやめてくれー! と大騒動。家の中もハロウィン調に飾りつけをしていましたが、11月下旬までそのままでした。ようやく模様替えに着手したのは、クリスマスの飾りと入れ替えるためです。

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大井美紗子

大井美紗子

大井美紗子(おおい・みさこ)/ライター・翻訳業。1986年長野県生まれ。大阪大学文学部英米文学・英語学専攻卒業後、書籍編集者を経てフリーに。アメリカで約5年暮らし、最近、日本に帰国。娘、息子、夫と東京在住。ツイッター:@misakohi

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