寺島しのぶ(photo 写真映像部・高橋奈緒/
hair & make up 川村和枝/styling 中井綾子(crepe)/costume クリスチャン ワイナンツ、エネイ、リューク)
寺島しのぶ(photo 写真映像部・高橋奈緒/ hair & make up 川村和枝/styling 中井綾子(crepe)/costume クリスチャン ワイナンツ、エネイ、リューク)
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 映画「あちらにいる鬼」で瀬戸内寂聴をモデルにした人気作家を演じる。本作を通して「愛の価値は人それぞれ」とあらためて感じたという。AERA2022年11月14日号の記事を紹介する。

【写真】寺島しのぶさんが髪を剃った姿がこちら

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──昨年11月に99歳で亡くなった瀬戸内寂聴が出家したのは51歳の時。妻子ある作家・井上光晴との関係を断ち切るためだった。そんな二人と井上の妻の三人をモデルにして、井上の娘・荒野が書いた小説『あちらにいる鬼』が映画化された。

 寺島しのぶが演じるのは、寂聴をモデルにした人気作家・長内みはる。豊川悦司がその恋愛相手で、女性関係が激しい気鋭の作家・白木篤郎を演じる。白木の妻の笙子を演じるのは、広末涼子だ。「やわらかい生活」(2006年)や「愛の流刑地」(07年)などで共演を重ねてきた寺島と豊川のコンビを、「ヴァイブレータ」(03年)や「やわらかい生活」の廣木隆一が撮った。脚本は彼らとタッグを組んできた荒井晴彦だ。

 年下の男を囲いながら、妻子のいる気鋭の作家との恋愛に突き進む人気作家、みはる。寺島はそんな彼女を、“すごく生きてる”人という。

寺島しのぶ(以下、寺島):みはるは無駄がない生き方というか、やりたいことを我慢しない。それが生きていくってことなのよ、とどの場面にもブレがない。私が今日はちょっと元気がないと思いつつ現場に行っても、みはるになると、逆に元気になっちゃう。撮影中は寂聴さんが背中にぴたってくっついて、ずっとパワーをくれていたような気がします。

■荒野と寂聴への手紙

──だが寺島は、実は、篤郎とみはるの関係を知りながらも最後まで添い遂げ、最終的にはみはるとも同志のような感情を持つまでに至った笙子を演じたかったと話す。

寺島:笙子のほうが難しいからやってみたかったんです。笙子は、(夫とみはるとの関係を)自分の中でどう折り合いをつけているのかがわかりにくい。だから、自分の体を通してやってみたかった。地味だし、よくわからないし、考える部分がすごく多いんじゃないかと。廣木監督に「ぶっちゃけ、みはると笙子どちらをやりたい?」って聞かれた時も、「笙子ですね」と答えた時がありました。

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