幼稚園前に設けられた献花台
幼稚園前に設けられた献花台
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 静岡県の認定こども園で、3歳の女の子がバスに置き去りにされ、死亡した事件から3週間。昨年7月に福岡県で同様の事件が起きたばかり。どのような対策を講じれば、園での事件事故を防ぐことができるのか。AERA 2022年10月3日号の記事を紹介する。

【園の事件事故を防ぐための4ポイントはこちら】

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「正直、園長次第で園全体の体質はがらっと変わります」

 こう断言するのは、幼稚園で20年以上働く都内の幼稚園教諭の女性(45)だ。

「これまでの経験上、昔ながらのワンマン園長は、現場を分かっているようで分かっていないことが多い。何が危険か、どこが死角か分かっていない。そうなると先生たちの危機意識も低くなります。特に今はコロナ禍で感染対策に注力するあまり、安全対策が後手に回っているということもありますし、保護者が園に入らなくなったので気の緩みもあります。そんな中でも意識の高い先生は意識の高い園長の下に集まります。良い園と悪い園の二極化が進んでいます」

 昨年の福岡と今回の事件は、いずれも園長が送迎バスを運転していたという共通点がある。東海地方でこども園を営む60代の女性園長はそのことに疑念を抱く。

「園長は総司令官です。だから園長が現場に入らない、というのは当たり前のことです。どこか担当を持ってしまうと、点呼の指令も含め全体に目が行き届かなくなることがあるからです。改めて身の引き締まる思いです」

 目視の確認や出欠確認、保護者への確認を怠るなど、いくつものミスが重なって起きてしまった今回の事件。どうすれば園での事件事故を防ぐことができるのか。保育現場に詳しい大阪教育大学の小崎恭弘教授(保育学)は「人は絶対にミスを犯す」という前提に立った対策の必要性を訴える。

「これまでの保育のシステムや安全管理は“先生はミスを犯さない”という前提で構築されてきました。ところがミスは繰り返されている。安全に関するマニュアルや通達は山のようにあるんです。でも最終的にそれを実行するのは現場の保育者です。いくらいろんなシステムを入れても、使う人間のミスがあれば台無しになる。人に頼るだけでは防げないという立場で考える必要があります」

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