イラストレーターのharaさんが自らの体験を描いた漫画『自分サイズでいこう 私なりのボディポジティブ』(KADOKAWA)から(絵 haraさん提供)
イラストレーターのharaさんが自らの体験を描いた漫画『自分サイズでいこう 私なりのボディポジティブ』(KADOKAWA)から(絵 haraさん提供)

「怒った?」

 と上司が聞くので、勇気を振り絞り、

「サイテーですね!」

 と言い返した。

 上司はちょっとうろたえた様子だった。その後、休憩時間になってharaさんはトイレに駆け込んだ。悲しみなどさまざまな感情が湧き出たが、「言い返せた」とも思った。涙がこぼれた。

「いじりは、相手が笑ってくれているからちゃんと愛として成立している、と安心している方も多いかもしれません。ですが周りが盛り上がるなか、真顔で『今の傷つきました』『やめてください』と言い返せる人がどれだけいるのだろうと思います。上司と部下の関係性だと特に困難です」(haraさん)

職場のいじめやハラスメントの専門家がいる主な相談窓口(AERA 2022年6月13日号より)
職場のいじめやハラスメントの専門家がいる主な相談窓口(AERA 2022年6月13日号より)

(編集部・野村昌二)

AERA 2022年6月13日号より抜粋

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野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

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