米国株人気に押されて目立たない日本株だが、株主優待付き銘柄は根強い人気。食べ物や飲み物が定期的に送られてくる企業の株を保有すれば、株価の値上がりを楽しみに待ちつつ年に原則2回、配当ももらえる。AERA 2022年6月6日号の記事は、注目の銘柄をピックアップ。

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 5月から6月は3月決算企業の株主優待が続々と送られてくる時期。巷では米国株の投資信託が大流行だが、優待株は“お得感”が大好きな日本人に根強い人気である。

 株主優待とは、株を買うと企業からお中元やお歳暮のように「わが社の株主でいてくれてありがとう」と、モノやサービス券などが送られてくる制度だ。東証に上場している3822銘柄中、1423銘柄が株主優待制度を実施している(2022年5月23日現在)。海外では「優待にコストと手間をかける暇があれば配当を出せ」という風潮が強く、根付いていない。

「優待株への投資が好きな人は多いです。楽しみつつ長期投資をできる点が最大のメリット」(GMOフィナンシャルホールディングスの村田真里恵さん)

 優待をもらうには、まずお目当ての企業の「権利確定月」を調べる。ネット証券では権利確定月ごとに検索できる機能があるので簡単にわかる。そして権利確定月の月末から数えて2営業日前(権利付き最終日)までに株を買えばいい。いったん買って株主になれば、その株を保有している限り、そして企業が優待を廃止しない限りは定期的にモノやサービス券が送られてくる。優待が届くのは、たいてい権利確定月から2~3カ月後。

「何日までに買わねば」と正確な日付を気にする必要はなし。人気の優待だと、権利付き最終日に向けて株価が上がってしまうケースもあるからだ。「6月権利確定の優待株なら6月第3週くらいまでに買えば、そこから優待がもらえるのね」とユルい感じで投資すれば問題ない。また、うっかり権利付き最終日を過ぎて株を買ったとしても、その次(半年後または翌年度)から優待はもらえる。

■優待利回りで探せる

 優待株を選ぶときにチェックすべき点は、まず配当利回りと優待利回り。配当は年に2回、現金振り込みか「郵便振替支払通知書」の形でもらえる。お小遣いのようでうれしい。優待利回りは、1年分の優待を金額換算して株価で割ったものだ。

「GMOクリック証券の検索ツールでは、優待利回りの高い順に並べ替えもできます。個別銘柄の情報欄には優待利回りが記載されていないので『優待』の条件で検索した画面からチェックしてみてください」

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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