AERA 2022年2月14日号より
AERA 2022年2月14日号より

 確かにつみたてNISAやiDeCoも浸透しつつあり、積み立て中の投信を短期売却する人は減った。通常、投信を設計する際は「いくらお金を集められそうか(純資産総額)×信託報酬」で収益を予想するが、長期保有してもらえるなら話は別だ。日々の収益は少なくても長くつきあってもらえれば元は取れるだろう、と。

 もう一つ、従来の先進国株式投信とSOMPO123先進国株式には大きな違いがある。実はこれ、種類別ではアクティブファンドなのだ。

 インデックスファンドは指数に連動させるため、膨大な銘柄を組み入れなければならない。たとえば先進国株式には「MSCIコクサイ」という約1300銘柄が入った指数が採用されている場合が多い。つまり先進国株式ファンドを運用しようと思ったら、約1300銘柄を買い付ける必要がある。

■あえてテスラを除外

 組み入れ銘柄数が多いと、買い付けのためのコスト(売買手数料)もおのずと増える。その点、アクティブファンドは運用会社側で銘柄を選べるため、銘柄数を絞り込める。

 SOMPO123先進国株式は、そのネーミング通り、世界の大型優良株123銘柄を厳選し、分散投資を行う。1300銘柄と123銘柄、コスト面では有利に違いない。「厳選」といわれると、アクティブファンドに対してよいイメージを持たない人は無言になってしまいそうだが、設定時に公表された上位組み入れ銘柄の顔ぶれを見てほしい。簡易名称で列挙する。1位/アップル(5.8%)、2位/マイクロソフト(4.9%)、3位/アルファベット=グーグル(4.1%)、4位/アマゾン(2.9%)、5位/メタ=フェイスブック(2.0%)。おなじみの銘柄が並んでいて、妙に安心感がある。おそらくMSCIコクサイ指数に似た成績が期待できるだろう。

「時価総額の大きさで上から単純に123銘柄を買っているわけではありません。個々の企業の信用リスクなどを踏まえて除外する銘柄もあります。たとえば、電気自動車のテスラは今のところ組み入れていません」

(金融ジャーナリスト・大西洋平、編集部・中島晶子)

AERA 2022年2月14日号より抜粋

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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