ワクチン接種7カ月で抗体は13分の1 高齢者は重症化を防ぐ効果の低下も懸念

ヘルス

2021/12/14 08:00

12月1日から、全国で医療従事者を対象に3回目のワクチン接種がはじまった。12月は2回目の接種から原則8カ月以上たった104万人が対象になる
12月1日から、全国で医療従事者を対象に3回目のワクチン接種がはじまった。12月は2回目の接種から原則8カ月以上たった104万人が対象になる

 ワクチン接種完了後7カ月で新型コロナウイルスに対する中和抗体価は大きく下がる。 高齢者ほどその傾向が強く、早めのブースター接種が望まれる。AERA 2021年12月20日号から。

【データ】ファイザー製ワクチン2回接種者の中和抗体値の変化はこちら

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 12月1日、新型コロナウイルスのワクチンの効果を回復させるためのブースター接種が国内でも始まった。政府は当初、2回の接種完了後8カ月以上経った人を対象にするとしていたが、新たな変異株オミクロンの登場で方針を変更した。 

「感染防止に万全を期す観点から、既存ワクチンのオミクロン株への効果などを一定程度見極めた上で、優先度に応じ、追加承認されるモデルナ(製ワクチン)を活用して、8カ月を待たずに、できる限り前倒しします」 

 岸田文雄首相は6日、所信表明演説でこう述べた。 

■前倒しが望ましい 

 しかし、オミクロン株対策としてだけではなく、現在のデルタ株対策としてもブースター接種の前倒しが望ましいことが、さまざまな分析でわかっている。 

 東京都医学総合研究所感染制御プロジェクトの小原道法・特別客員研究員らの研究チームは、ファイザー製ワクチンの接種が完了してから7カ月以上経った都立病院の関係者1139人の血液を分析した。1139人のワクチン完了後の日数の中央値は213日だった。その結果を、研究所が以前分析した、ワクチン接種完了2~3週間後の15人の結果と比べた。 

 ワクチンによってできる、感染を防ぐ効果のある「中和抗体」の量は「中和抗体価」と呼ばれ、いろいろな単位で表される。研究チームは「AU」と呼ばれる抗体の濃度を表す任意の単位を使い、血液1ミリリットル当たりのAUの値で比較した。 

 接種完了2~3週間後の人の中和抗体価が平均729だったのに対し、接種7カ月以降の人では平均55.8と、13分の1に低下していた。 

 年齢が高いほど血中の中和抗体価は低かった。中和抗体価が10未満とほとんど検出できなくなるほど減った人の比率も年齢とともに上がっていった。20~30代が3.1%だったのが40代は6.9%、50代は10.4%、60~70代では12.8%だった。 

AERA 2021年12月20日号より
AERA 2021年12月20日号より
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