星野源がその影響に言及し、オダギリジョーが自身の映像作品に起用する。下の世代が細野を愛してやまないのは、彼の音楽や言動に自由を、何ごとにも揺るがないしなやかさを感じるからなのかもしれない。

「決して意志は強くないですよ。弱いです。だから怖いものから逃げたりするんですね。そういう意味ではすごく受け身です。自分から動いていこうという気持ちがない。ないというか、できないです、気が弱くて。ずいぶん前から、自分は水のように生きていくんだろうなと思ってました。みずから流れていくんじゃなくて、流されていくに過ぎないんだと。流れ流れて。そうやってなんとか切りぬけてきたということなんでしょうね」

(ライター・門間雄介)

※AERA 2021年11月22日号に加筆