ヘンリー王子とメーガンさんはウィンザー城にあるセント・ジョージ礼拝堂で結婚式を挙げた後、観衆の祝福を受けながらパレードした/2018年5月19日、ロンドン郊外のウィンザー城(写真:Karwai Tang/WireImage)
ヘンリー王子とメーガンさんはウィンザー城にあるセント・ジョージ礼拝堂で結婚式を挙げた後、観衆の祝福を受けながらパレードした/2018年5月19日、ロンドン郊外のウィンザー城(写真:Karwai Tang/WireImage)

 眞子さまと小室さんは結婚後、ニューヨークで暮らす。英王室ヘンリー王子をはじめ 世界のロイヤルたちの生き方も、今やさまざま。「新しい自分」を生きている。AERA 2021年11月1日号から。

【写真】長男のアーチー君を抱くメーガンさんと二人を見つめるヘンリー王子

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 オランダ王室は、たとえロイヤルが同性愛者でも王位に就くのに変わりはないとルッテ首相が発表。王室にとっては継承が何より重要だろうが、そこを飛び越えてロイヤルの人権を尊ぶという。すでに「ロイヤル個人の自由」を認めようとする動きが見えてきた例と言えるのではないか。また、同じオランダ王室の長女で将来は女王になるアマリア王女(17)は、18歳から支給される予定だった年間約2億円の王室費を受け取らないと発表した。コロナ禍で多くの若者が生活に苦しんでいる今、自分は大学生で公務ができないこともあって手当をもらうのは心苦しいと筋を通した。

 さらにデンマーク王室の次男ヨアキム王子と前妻との間に生まれた長男ニコライ王子(22)は、モデルで生活費を得ているそうだ。若い世代のロイヤルを中心に、決められた枠にとらわれずに、自分の意見を述べたり王室外に職業を求めたりする例が見受けられるようになった。チャールズ皇太子(72)は、ヘンリー王子(37)の例から学ぼうとしている。ウィリアム王子とキャサリン妃の長男ジョージ王子(8)は将来国王に就くが、妹のシャーロット王女(6)、弟のルイ王子(3)については、王室に閉じ込めず、自分の関心や興味を追うことを積極的に勧める。それは皇太子が繰り返す、王室のスリム化にも合致している。

 すでに、ロイヤルでありながら王室から抜けた例もある。スウェーデンのカール16世グスタフ国王は、王室メンバーを減らすために数を絞った。ヴィクトリア皇太子は将来の女王だが、その弟の子ども3人、妹マデレーン王女の子ども3人がロイヤルから外れた。王女は「自由な生き方ができる」と歓迎したそうだ。王女一家は米フロリダに移住。その次がヘンリー王子一家で、ロイヤルの米国移住は眞子さまで3組目になる。

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多賀幹子

多賀幹子

お茶の水女子大学文教育学部卒業。東京都生まれ。企業広報誌の編集長を経てジャーナリストに。女性、教育、王室などをテーマに取材。執筆活動のほか、テレビ出演、講演活動などを行う。著書に『英国女王が伝授する70歳からの品格』『親たちの暴走』など

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