米国はもとより、多くの国々は数カ月前から救出作戦計画を練り、準備を整えてきたため、自国民と自国に関連する諸機関に協力してくれたアフガン市民をそれぞれ数百人から1千人以上救出することに成功しているのである。

 たとえば8月30日時点の概算で、英国が1万5千人、ドイツが5400人、オーストラリアが4100人、カナダが3700人、フランスが3千人、オランダが2500人、スペインが1900人などと救出に成功しているのだ。

 それに引き換え日本は「1人」では、日本政府の対外危機対応能力がゼロに近いことを国際社会に宣伝してしまったことにほかならない。(軍事社会学者・北村淳(米国在住))

AERA 2021年9月13日号より抜粋