薬が効かない不調も改善!? 押し殺したつらさを吐く「感情日記」とは (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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薬が効かない不調も改善!? 押し殺したつらさを吐く「感情日記」とは

羽根田真智AERA
宗未来(そう・みらい)/医学博士・日本精神神経学会専門医。『日記を書くと血圧が下がる』(CCCメディアハウス)監修(撮影/羽根田真智)

宗未来(そう・みらい)/医学博士・日本精神神経学会専門医。『日記を書くと血圧が下がる』(CCCメディアハウス)監修(撮影/羽根田真智)

 自律神経のバランスを整えるには、ストレスの緩和が不可欠。あえて過去のつらい感情を書く「感情日記」も有効な手段の一つだ。その仕組みや書き方とは。AERA 2021年7月19日号から。

【表】自律神経の機能「40代で20代の約半分に」

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 欧米を中心に膨大な数の研究が行われているのが、「ライティング」の心身に及ぼす効果。ライティング(writing)とは「文章を書くこと」だが、これは何を書いてもいいというわけではなく、あえて「過去に起こった出来事と、そのときに感じたストレスやつらい思い」について書く。

■自分のための感情日記

「感情日記」という呼び名で臨床にも採り入れている東京歯科大学精神科准教授の宗未来さんが言う。

「私も最初は半信半疑でしたが、その効果はメタ解析という最高水準のエビデンス(科学的根拠)まで示されており、英国総合診療医の学会誌でも推奨されています。薬では改善しない高血圧や慢性痛の患者さんであっても、感情日記を書いてもらうことで、血圧や痛みが改善し、薬を減量や中止できた人もいたほどです。感情日記で心の奥底の感情に触れられるのが大きい」

 何かつらい経験をしても、それを1次感情としてありのままに感じきると、つらさは時間とともに自然に消える。しかし苦痛が強く耐え難いからと目を背けてしまうと、つらさは押し殺されてしまう。それが続くと、人間に特有の自己嫌悪や嫉妬、虚無、恨みといった思考まみれの2次感情が生じてくる。

「2次感情は、1次感情と向き合わないために脳が捏造したノイズで、リアリティーはあってもリアルではないため自然に消退しません。無駄な緊張や興奮が起こり、コルチゾールやノルアドレナリンといったストレスホルモンが副腎から過剰に分泌。交感神経が刺激され、自律神経の乱れや免疫異常まできたしてしまう。薬で下がらない高血圧も、自律神経のバランスの崩れが関係していると考えられます」(宗さん=以下同)

 感情日記で心の奥底の感情に触れることで、抑えられていた1次感情が解放され、ストレスが和らぎ、自律神経などのバランスが整う。それによって、病気や体調不良が改善される。精神医療の分野では、うつや不安以外に、PTSD(心的外傷後ストレス障害)への自助効果まで、メタ解析で証明されている。


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