高畑:私はもうちょっと恋愛したいなと思っているんですけど、いつかは結婚もしたいし子どももほしい気持ちはある。でもこの仕事は3年先とかのスケジュールが入るから……。

菅野:わかります。演じ手としての自分と、結婚してお母さんになりたいという自分との時計が違いすぎるよね。

尾野:大丈夫、いざそうなったら、みんな「おめでとう!」って許してくれる。

菅野:そうそう。でもいっぽうで充希ちゃんは若いし、やりたい役があったらいまは絶対やったほうがいい、とも思う。

尾野:そうだね。私も結婚後に2年休んでちょっと後悔した。あのときは旦那様との時間を作ろうと思ったんだけど……。

菅野:私も4年くらい空いた時期があるかな。でも、けっこう世間は「え? 4年も休んでたっけ?」みたいな感じよ?

高畑:たしかに、お二人とも休んでいたイメージがないです。

■育児のホントのところ

尾野:意外とそんなものだよね。もし今後、出産などで仕事を休むときがきたら、菅野さんに相談するかもしれないです。

菅野:私に答えられることだったら何でも! 女性の先輩が育児の大変さをあまり発言しないのは、続く世代を怖がらせたくないという優しさなのかもしれないけど、でも、私はもっと事前に聞きたかった。「聞いてないよ!」ってことばっかりだもん。だからどんどんホントのことを言っていきますよ!

高畑:ありがたいです。

菅野:育児は根性試しの連続です。「がんばったね。じゃあ次はこれだ!」の繰り返し。達成感を感じるのは難しいです。連ドラやっているとき、最終回までの1週間って寝られないでしょ?

尾野・高畑:はい。

菅野:産後1カ月はね、あれが続く感じかな。

尾野・高畑:うわあ、それはつらい! 強くなりますねえ。

菅野:自分でも図太くなってきているなあと思う。それに、まわりのお母さんがもう10歳くらい若いの。だから常にスマホに「プリント提出○日までです」とか教えてくれる。ポンコツ中年、感謝しきりです(笑)。

(フリーランス記者・中村千晶)

AERA 2021年6月7日号