でも実はその後、昭和57年に付け加えられたとされている二番の歌詞には、ちゃんとお母さんも登場します。

やねより たかい こいのぼり
おおきい ひごいは おかあさん
ちいさい まごいは こどもたち
おもしろそうに およいでる

 ですので、今では、大きい真鯉がお父さん、その下の赤い緋鯉がお母さん、色とりどりの小さな鯉が子供たちということのようです。時代の流れと意識の変化に合わせて修正されていったということでしょうね。

 余談になりますが、端午の節句と言えばもうひとつ、鎧兜や武者人形も飾ることも多いですよね。鯉のぼりを「外飾り」、鎧兜や武者人形を「内飾り」と呼んで区別することもあるそうです。

 先ほども書いた通り、鯉のぼりは、男の子が生まれたことを天の神様に示し、その子の立身出世を願うのに対して、鎧兜や武者人形は、その子が健康で健やかに育つことを願うと言われています。

 最近は住宅事情から、大きな鯉のぼりを見かけることは少なくなりましたが、やはり、青空を悠々と泳ぐ鯉のぼりを見ると、日頃の小さな悩みも吹き飛んでしまうような、清々しい気持になるのは筆者だけでしょうか?

○岡本浩之(おかもと・ひろゆき)
1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長

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岡本浩之

岡本浩之

おかもと・ひろゆき/1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長。

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