でも、20年は切り替えなくてもいいのでは? つみたてNISAの非課税期間はS&P500や全世界株式などのインデックス型にして、20年経ってから債券型に切り替えてもいいですし」

■ターゲットイヤーは信託報酬が割高

「ターゲットイヤー」や「資産最適化」「ライフサイクル」をうたった投信は信託報酬も0.3~0.5%台と高めなことも気になる。資産の入れ替えや配分の変更を運用会社がやってくれるので、その手間賃として割高になるのは仕方がない。
 
 一方、S&P500の信託報酬は0.1%前後、国内株式や先進国株式、全世界株式でも0.1%台が当たり前である。

「資産運用はバランスが大切ですが、そのバランスはつみたてNISA以外の貯金や金融商品も含めた『全体』で考えるべきもの。

 貯金がたくさんあるのに、つみたてNISAでも債券型の投信を購入したら、20年経ってもほとんど増えていなかった……という残念な結果になるかもしれません。

 投資の鉄則は『自分が理解できないものは買ってはいけない』。初心者はなるべくシンプルでわかりやすい投信を選びましょう」

※アエラ増刊『AERA Money 2021春号』より抜粋

(取材・文/安住拓哉、編集部・中島晶子、伊藤忍)

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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