「クラスのお友達が7万~8万円する素敵なランドセルを買ったけど、うちはその半額しか用意できない。もっと安い指定のリュックや決まったランドセルがあれば、気持ちも楽なのに」

『隠れ教育費』の共著者で、公立小、中学校に事務職員として勤務する柳澤靖明さんは、年々高額化、早期化するラン活に警鐘を鳴らす。

「ランドセルは、数ある商品の中から選べる分、経済格差が表れやすい。地域や学校によっては数千円から1万円前後で購入できるランリックRやナップランドなどの軽いカバンを推奨しているところもあります。ランドセルを指定としている学校が、ランドセル以外の選択肢を作ることが重要ではないかと思います。ただ、購入の時期が早まりすぎて、秋の就学時健康診断や年明けの新入生保護者説明会で説明しても間に合わない。変えていくのは簡単ではありません」

ランドセルには画一化やジェンダー、格差など社会の問題が詰まっている。(編集部・深澤友紀)

AERA 2021年4月19日号より抜粋