AERA 2021年4月5日号より
AERA 2021年4月5日号より
AERA 2021年4月5日号より
AERA 2021年4月5日号より

 日米で株高が続き、投資に注目が集まっている。理想は会社や組織に縛られず、運用益で暮らせる生き方「FIRE」だ。自分には無理だな……と諦めるのは早すぎる。今からでも実現させる方法、教えます。「FIRE」を特集したAERA 2021年4月5日号から。

【一覧で見る】こんなにある!地方の「超格安物件」

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 具体的にどうやればFIREを実現できるのかを検証していこう。最大のカギは、「月々の生活コスト」だ。

 FIREを実現する目安として、「4%ルール」というものがある。「年間支出の25倍の資産を築けば、あとは年利4%の運用益で生活費をまかなっていける」という考え方だ。たとえば生活費が月10万円(年120万円)なら、必要な資産は3千万円という計算になる。生活費を抑えるほど必要な資産が少なくなり、FIREに早く到達できる。

 FIRE実現への道を五つのステップに分けて説明しよう。

 まずはステップ1。月々大きな重荷となる住居費(家賃)を「ゼロ、または最低限に」する準備から始めたい。47歳で資産約1億円を築いて会社を早期リタイアした桶井道(おけいどん)さんのように「実家に住む」ことは、家庭の事情が許すなら最強の選択肢だ。持ち家の人は、51歳でFIREを実現した個人投資家のエルさんのように住宅ローンを完済する必要がある。

 どちらも難しい、という人も大丈夫。FIRE後は通勤の必要がないので、地方の格安物件を購入して移住する手がある。各自治体の空き家バンクや古民家検索サイトなどでは、50万円以下の「超格安物件」も珍しくない。必要な改装費用や維持費などには注意が必要だが、「住居費ゼロ」への大きな選択肢だ。

 住居費を抑えるめどがたったら、ステップ2。FIRE後の生活費をシミュレーションしてみよう。指南役は、ファイナンシャルプランナーでWEBサービス「マネーキャリア」を運営する谷川昌平さん(26)だ。

 理想は厳しめに、「単身で月8万円、夫婦なら月12万円」を目標にしたい。谷川さんはポイントをこう解説する。

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小長光哲郎

小長光哲郎

ライター/AERA編集部 1966年、福岡県北九州市生まれ。月刊誌などの編集者を経て、2019年よりAERA編集部

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