眞子さまとの結婚延期が公表された当日の2018年2月6日、勤務先を出る小室圭さん。同年8月から米フォーダム大学のロースクールへ留学中だが、今年5月に卒業する予定だ (c)朝日新聞社
眞子さまとの結婚延期が公表された当日の2018年2月6日、勤務先を出る小室圭さん。同年8月から米フォーダム大学のロースクールへ留学中だが、今年5月に卒業する予定だ (c)朝日新聞社

 人が上昇志向を持つのは自然なことだ。だがそれが、時に「自己犠牲」がキーワードになる王室や皇室が絡むと、難しい面も出てくる。共感を集められないメーガン妃と小室圭さんの共通項を読み解く。AERA 2021年3月29日号から。

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 どことなく似ている。英国のメーガン妃(39)を見てそう思った。誰に似ているかというと、秋篠宮家の長女眞子さま(29)のお相手、小室圭さん(29)だ。予定調和でない感じ。アンコントローラブルな感じが重なった。

■対照的でも共通点

 3月7日夜、米CBSテレビで放送されたメーガン妃のインタビューで最も注目されたのは、長男アーチー君(1)を妊娠中、「肌の色がどれだけ濃いのかという懸念」について、王室内でやりとりがあったという告白だった。ことの真偽はわからない。が、世界中で「ブラック・ライブズ・マター」が支持されている時代に、アフリカ系米国人の母を持つメーガン妃が、アフリカ系米国人のインタビュアーにそれを語れば、どれほどの反響があるか。夫妻はしっかりわかっていたはずだ。

 元女優のメーガン妃がインタビューを重要視することは、夫妻が公務から引退した2020年時点で王室も予測したはずだ。が、これは、想定を大きく超えていたに違いない。

 そう思い、小室さんが浮かんだ。語るメーガン妃に、沈黙の小室さん。対照的だが、「想定を超えている」という面では、同じだ。王室、皇室、国民。それぞれの想定を大きく超えてくる2人だと感じたのだ。

 眞子さまと小室さんが婚約内定の記者会見をし、母の「借金問題」が発覚したのが17年。翌年2月に結婚延期が発表されると、半年後、小室さんは米国の大学に留学した。「(借金問題は)母も私も解決済みと理解している」という文書を発表したのが19年1月、以後は音沙汰なしだ。

 一方、眞子さまは20年11月に「文書」を公表、結婚への強い意志を明らかにした。同時に「様々な理由からこの結婚について否定的に考えている方がいらっしゃることも承知しています」と述べた。

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矢部万紀子

矢部万紀子

矢部万紀子(やべまきこ)/1961年三重県生まれ/横浜育ち。コラムニスト。1983年朝日新聞社に入社、宇都宮支局、学芸部を経て「AERA」、経済部、「週刊朝日」に所属。週刊朝日で担当した松本人志著『遺書』『松本』がミリオンセラーに。「AERA」編集長代理、書籍編集部長をつとめ、2011年退社。同年シニア女性誌「いきいき(現「ハルメク」)」編集長に。2017年に(株)ハルメクを退社、フリーに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』『美智子さまという奇跡』『雅子さまの笑顔』。

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