人種差別問題のほか、キャサリン妃とメーガンさんの「確執」についても語られた(gettyimages)
人種差別問題のほか、キャサリン妃とメーガンさんの「確執」についても語られた(gettyimages)
インタビューの内容は英米各紙やソーシャルメディアの話題を独占。英国ではほぼすべての新聞が1面で取り上げた(gettyimages)
インタビューの内容は英米各紙やソーシャルメディアの話題を独占。英国ではほぼすべての新聞が1面で取り上げた(gettyimages)

 アメリカの特別番組で放送されたメーガンさんとヘンリー王子のインタビューが、イギリスの世論を分断している。一方で、メーガンさんによるパワハラ報道も浮上し、激しい応酬が予想される。AERA 2021年3月22日号から。

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 3月7日の日曜日、午後8時から2時間、アメリカの3大テレビ局の一つ、CBSはヘンリー王子(36)とメーガンさん(39)の特別番組を放送した。二人にインタビューしたのは、オプラ・ウィンフリーさん(67)だ。彼女が司会をする「オプラ・ウィンフリー・ショー」は、アメリカのトーク番組の中でも評価が高く、インタビュアーとしての腕は全米一といわれている。資産家でもあり、2010年12月、経済誌「フォーブス」によると彼女の収入約3億1500万ドルはエンターテインメント業界では1位だった。

 メーガンさんはそれまで面識がほとんどなかったウィンフリーさんを2018年、ウィンザー城での結婚式に招待、特等席を用意した。メーガンさんは、いつかウィンフリーさんのインタビューを受けたいと願い、ウィンフリーさんも英王室の人気者ヘンリー王子を射止めたメーガンさんの話を聞きたいと希望。二人の思惑は完全に一致したが、王室にいる時には王室側から反対され、離脱から1年ほどが経ち、完全離脱を王室に告げた後に満を持して向かい合った。

■王室全体がダメージ

 番組は、アメリカで1700万人超、イギリスで1100万人超が視聴したといわれる。メーガンさんから、いくつかの衝撃的な発言があった。

 まずは人種差別をほのめかした。生まれてくる赤ちゃんの肌の色は濃いだろうかという話が王室内でされたという。しかし、誰がいつどういう状況でした発言かは、その人にダメージが大きいから口にしないという。個人名を特定しないため、逆に王室全体が人種差別組織のようなイメージに染まってしまった。ただ、ヘンリー王子はこれは妊娠前の出来事であると話し、メーガンさんは妊娠中のこととするなど、微妙な食い違いがみられた。

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多賀幹子

多賀幹子

お茶の水女子大学文教育学部卒業。東京都生まれ。企業広報誌の編集長を経てジャーナリストに。女性、教育、王室などをテーマに取材。執筆活動のほか、テレビ出演、講演活動などを行う。著書に『英国女王が伝授する70歳からの品格』『親たちの暴走』など

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