AERA 2021年2月22日号より
AERA 2021年2月22日号より
国内各地の医療機関には、新型コロナウイルスワクチンを保存する超低温冷凍庫が続々と搬入されている (c)朝日新聞社
国内各地の医療機関には、新型コロナウイルスワクチンを保存する超低温冷凍庫が続々と搬入されている (c)朝日新聞社

 厚生労働省の専門部会は12日、米ファイザー社と独ビオンテック社の開発した新型コロナウイルスワクチンの製造販売を認めてもいいと結論を出した。早ければ17日にも医療従事者への接種が始まる。AERA 2021年2月22日号から。

【写真】医療機関にはワクチンを保存する超低温冷凍庫が続々と搬入されている

※【日本で接種するワクチンはファイザー社製  打つ人が“選ぶ自由はない”可能性大】より続く

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 Q:ワクチンの効果はどれくらい続きますか。

 A:まだよくわからない。インフルエンザ同様、毎年の接種が必要になるかもしれない。

 治験を含め接種が始まってからまだ1年に満たないため、ワクチンの効果が1年以上持続するかどうかは現時点では不明だ。

 ワクチン自体の効果が1年以上、持続するとしても、既存のワクチンは次々に発生する変異ウイルス(ウイルス株)に効かない可能性はある。

 WHOはまだデータが不十分だとするが、南アフリカで登場した変異ウイルスに対しては、一部のワクチンの効果が著しく低くなったという報告もある。

 新型コロナウイルスよりももっと頻繁(ひんぱん)に変異が生じやすいインフルエンザウイルスのワクチンの場合、WHOの主催する専門家会合が毎年、どのウイルス株が流行の主流になるのかを予測し、どのようなワクチンを準備するといいのか推奨している。

 英国のワクチン大臣ナディム・ザハウィ氏は今月7日、英BBC放送のインタビューに対し、「(変異ウイルスのために)新型コロナウイルスワクチンも、インフルエンザワクチンのように毎年、接種が必要になるかもしれない」と述べた。

 また、ワクチンを打った人は症状が出にくいのはわかっているが、ウイルスに感染しないのか、感染しても症状が出ないのかはまだよくわかっていない。

 感染しても症状が出ないだけならば、他の人に感染させるリスクは残る。このためWHOなどは、ワクチン接種後も当面は3密を避け、他の人と十分な距離をとれない場合はマスクを着用するよう求めている。

 Q:打たない方がいいのはどんな人ですか。

 A:ワクチン成分への急性反応を経験した人は打たない方がいい。

 延べ4600万人以上がすでに接種を受けた米国の疾病対策センター(CDC)は、同国で緊急承認されたファイザー社のワクチンもモデルナ社のワクチンも「安全である」と明言している。また、アストラゼネカ社のワクチンについては英国政府などが安全性を強調する。

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