トランプ氏の“政権移行妨害”が生んだ深刻な事態 「安全保障を犠牲にしてまで抗戦か」との報道も (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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トランプ氏の“政権移行妨害”が生んだ深刻な事態 「安全保障を犠牲にしてまで抗戦か」との報道も

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津山恵子AERA
新政権のコロナウイルス対策について話すバイデン氏。新政権発足に向けて淡々と準備を進めている/11月9日、米デラウェア州ウィルミントン(写真:Joe Raedle/gettyimages)

新政権のコロナウイルス対策について話すバイデン氏。新政権発足に向けて淡々と準備を進めている/11月9日、米デラウェア州ウィルミントン(写真:Joe Raedle/gettyimages)

 米大統領選挙は、民主党候補バイデン氏が勝利したが、トランプ大統領が敗北を認めず、いまだに米社会には暗雲が立ち込めている。新政権の課題は山積みだ。AERA 2020年11月23日号の記事を紹介する。

*  *  *
 米大統領選挙の余波は、続く。

 筆者のアパートの家主パルマ・フランシスコ氏は毎日、トランプ氏のように、マスクをせずに近所を歩いている。

「ゴー、トランプ」

 というショートメッセージを送ってよこし、立ち話をすると、こう語る。

「トランプは、ニューヨークで新型コロナウイルスの爆発的感染が起きた時、病院船も送ってくれた。国際会議場を病院に改築するために兵士も送ってくれた。それなのに、今になって新型コロナの感染拡大を彼のせいにするのはフェアじゃない」

 トランプ氏がマスクをすることを拒否し、彼の家族や側近、全米のトランプ支持者がマスクをせず、野火のように新型コロナ感染が拡大しているという事実を、彼女は気にもしない。米国の新規感染者数は11月11日、約14万4千人と、10万人を大きく超え、未知の領域に入った。

 バイデン氏は、当選を確実にする史上最高の約7785万票を獲得したが、トランプ氏も約7256万票と、歴代の敗者の得票をはるかに上回る(11月12日現在、米紙ニューヨーク・タイムズのウェブ版による)。それほど、4年間トランプ氏の国家主義「アメリカ・ファースト」に酔いしれた国民が根強く存在し、米国民の「選択」が真っ二つに分かれた。

■政権移行を阻む措置

 トランプ氏は、公の場に出ることもなく、存在感を消しているかに見えるが、実は、バイデン新政権への移行を困難にする措置を着々と行っている。オバマ前大統領が2016年、投開票日の2日後にトランプ氏をホワイトハウスに招待したのとは、大きく異なり、バイデン氏は当確から5日経ってもホワイトハウス入りしていない。

 政権移行の妨害は、深刻だ。

 第1に、国防総省(ペンタゴン)では、反トランプ派の幹部がわずか2日間で4人解任されるか、辞任した。その中には、トランプ氏にツイッターで解任されたトップのマーク・エスパー国防長官が含まれる。同長官は今夏、黒人のジョージ・フロイド氏が白人警官に殺害された事件をきっかけに起きた「ブラック・ライブズ・マター(BLM、黒人の命は大切だ)」デモに対し、トランプ氏が連邦軍を送ろうとしたが、記者会見を開いて公式に派兵を否定した。「危険なレベルに達していない」というのが理由だが、民間人の非武装デモに、武装した兵士が配備されるというのは異常事態だ。


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