毎月2万3000円の掛け金で年2.3%の運用益を得ながら、iDeCoの運用を20年間続けた会社員の場合で試算をした(上の表参照)。この会社員は勤続38年で退職金が2060万円、65歳以降は年間230万円の厚生年金収入があると仮定。一時金として受け取る場合と年金として受け取る場合の、それぞれで支払う税金と社会保険料を計算したものだ。この場合は一時金として受け取ったほうが12万円ほど、税金と社会保険料の支払いが少なかった。

「この会社員はiDeCoのつみたて期間中の年収が800万円だったとすると、一般的な条件では20年間で約165万円の所得税・住民税を節税できていました。受取時の税金(一括受取時)に比べて、現役時代の節税額は約2.6倍です。やはりiDeCoの節税効果は大きい。受け取るときの税金が節税額を上回るケースは少なく、おトク度は揺るぎません」

(取材・文/安住拓哉、編集部・中島晶子、伊藤忍)

※アエラ増刊『AERA Money 今さら聞けない投資信託の基本』の記事に加筆・再構成

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中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

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