懸念は、現実となっている。

 新潟県内の学校で、3月から8月末までに、コロナに関するいじめが少なくとも8件起きたことがわかった。県教育委員会がまとめた。

 同委員会生徒指導課によると、感染が発生した地域に食事に出かけたり、しばらく学校を休んだりした子を、クラスで「コロナ!」と呼ぶケースが目立った。中には、親が医療従事者の子どもが「コロナ」と言われたケースもあったという。いずれも、言われた子どもは「コロナ」に感染してはいなかった。

 県教育委員会は8月、各学校に、いじめや差別を防ぎ、いじめに遭った子どもの心のケアに当たるよう通知を出した。

「不登校になるような重大事案はありませんでしたが、子どもは嫌な思いを間違いなくしていると思います」(同課の担当者)

(編集部・野村昌二)

AERA 2020年9月21日号より抜粋

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野村昌二

野村昌二

ニュース週刊誌『AERA』記者。格差、貧困、マイノリティの問題を中心に、ときどきサブカルなども書いています。著書に『ぼくたちクルド人』。大切にしたのは、人が幸せに生きる権利。

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