内閣支持率上昇は「としまえん現象」? 「なくなるとわかると急に惜しくなる」と池上彰が指摘 (2/4) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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内閣支持率上昇は「としまえん現象」? 「なくなるとわかると急に惜しくなる」と池上彰が指摘

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池上彰(いけがみ・あきら、右):1950年、長野県生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業。著書に『伝える力』『なんのために学ぶのか』『コロナウイルスの終息とは、撲滅ではなく共存』など/佐藤優(さとう・まさる):1960年、東京都生まれ。同志社大学大学院神学研究科修了。著書に『世界宗教の条件とは何か』『宗教改革者』『ウイルスと内向の時代』『危機の正体』など(撮影/岸本絢)

池上彰(いけがみ・あきら、右):1950年、長野県生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業。著書に『伝える力』『なんのために学ぶのか』『コロナウイルスの終息とは、撲滅ではなく共存』など/佐藤優(さとう・まさる):1960年、東京都生まれ。同志社大学大学院神学研究科修了。著書に『世界宗教の条件とは何か』『宗教改革者』『ウイルスと内向の時代』『危機の正体』など(撮影/岸本絢)

 要するに安倍政権はシステムの上に成り立っているのです。だから、政策ごとにブレーン集団が全部違う。安倍さんは気に入った政策は裁可する。気に食わない政策だとプイッと横向いちゃう。これは誰に似てます? 昭和天皇です。

池上:ハハハ。

佐藤:安倍政権のシステムは、いわゆる戦前・戦中の「天皇機関説」と同じです。

 去年の参議院選挙で「争点なき選挙だ」と言われて、公明党の山口那津男代表は「争点はあります、安定か混乱かだ」と発言しました。その後、自民党もメディアもそういう風潮になりました。要するに、システムの維持か解体かという状況になって、システムが維持されればいいという観点なので次の首相は岸田文雄さんでも菅義偉さんでもどっちでもいい。ただ菅さんのほうが、より強くシステムが維持されるという「システムの強度」の話です。「としまえん現象」の一方で、システムの安定を望んでいる国民の集合的無意識を刺激したということもあると思います。

池上:安倍首相が機関として存在しているのを支えて、実はそれを動かしていたのは菅官房長官ではないかっていう意識があるということですよね。安定であれば、菅さんが引き継げばいいということだと思います。

佐藤:そのとおりだと思います。ですから、ポイントになっているのは国体護持です。

■主体は「システム」 方向は曖昧模糊

池上:ただ、安倍首相は、2020年っていう目標まで掲げて憲法改正を言ってきました。その点、菅さんは「憲法改正は期日ありきではない」って言い方をしたでしょう。そこは明らかに違っています。菅さん自身は別に憲法改正に興味関心がないので、これからは言わなくなると思いますね。憲法改正を言わないほうが公明党との関係も維持できるわけです。そうすると、これまで安倍さんを応援していた右寄りの人たちから、菅さんに対する反発というのが出てきたりしますよね。

 安倍さんの場合、靖国神社の参拝をやめたり、中国との関係をよくしたり、あるいは韓国との関係も一時はよくしたりしたことがあったけれど、そのことに対しても、「安倍ちゃんだからしょうがない」って言っていた応援団の人たちがいます。この人たちは、新政権に対しては批判を強めてくる可能性はありますね。


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