子どもに「旅行は我慢」でなく「行きたかったよね」 「大人が本音を見せる大切さ」絵本作家・ヨシタケシンスケが語る (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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子どもに「旅行は我慢」でなく「行きたかったよね」 「大人が本音を見せる大切さ」絵本作家・ヨシタケシンスケが語る

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AERA#出産と子育て
ヨシタケシンスケ(47)/1973年生まれ。初の絵本『りんごかもしれない』が第6回MOE絵本屋さん大賞1位。2018年の

ヨシタケシンスケ(47)/1973年生まれ。初の絵本『りんごかもしれない』が第6回MOE絵本屋さん大賞1位。2018年の"こどもの本"総選挙の上位10冊に4冊、20年は2冊が入った。近著に『あつかったらぬげばいい』など (c)朝日新聞社

 ストレスを感じている子どもに、どう接したらいいのだろう? 大人はなんで怒りっぽいの? 親子で気持ちが楽になる接し方や考え方とは。AERA 2020年9月14日号で、絵本作家・ヨシタケシンスケさんが語る。

【写真】日本とどう違う? アメリカの絵本はこんな感じ!

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 ステイホームの期間は外に出ないようにするしかなかった。でも今はそれぞれの人の考え方の差が出てきています。

 僕の下の子は小学生なんですけど、お友達と遊ぶときに、〇〇君ちは家の中で遊んでもいいけど、なんとか君ちはダメで、学校ではマスクするけど友達と遊ぶときにはしなくていい家もある。各家庭がよかれと思って決めているルールが、子どもたちの混乱を招いています。

 ある程度はしょうがないことです。僕たちは誰も経験したことがなく、答えが出ていない中を生きているから。なのに、親も先生もわからないことを子どもに悟られまいと、無理に答えをつくって、「こうしなさい」と押し付ける。それが大きな不幸になっていると思うんです。

 大人の側が「自分たちもわからないんだ」という本音を伝えることが大事なんじゃないでしょうか。そのうえで「どうしたらいいと思う?」と、子どもと一緒に考える。そうすれば子どもは納得感が持てます。それに、ほかの家や学校の判断も「それぞれの気が済むように決めているんだ」と理解できる。

 もっと大人が子どもに本音を見せてもいいと思うんです。子どもが「夏休み、旅行に行けなかったね」と言ったら、「しょうがないじゃないか」「我慢しなさい」じゃなくて、「行きたかったよねー」と一緒に愚痴ればいい。

 僕が中学生のときに、学校の先生が「俺だって嫌いな先生がいるんだよ」とボソッと言ったことがありました。先生だって人間なんだと思えたし、こういう人間味みたいなものは信頼性に大きくかかわってくる。

 人に相談できない子は「悩みがあれば打ち明けて」と言われても、よっぽど追い詰められないとしない。僕もそうでした。でも大人から本音や弱みを見せてくれたら、こっちも弱みを見せていいと思えますよね。


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