「こんなこと普通できません」藤井聡太二冠がみせた“真逆の展開”に渡辺明名人が驚き (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

「こんなこと普通できません」藤井聡太二冠がみせた“真逆の展開”に渡辺明名人が驚き

このエントリーをはてなブックマークに追加
AERA
藤井聡太(18)/愛知県瀬戸市出身。小学校6年生で詰将棋解答選手権優勝。プロ入り(14歳2カ月)、初戴冠、二冠・八段昇格などで最年少記録を更新。師匠は杉本昌隆八段 (c)朝日新聞社

藤井聡太(18)/愛知県瀬戸市出身。小学校6年生で詰将棋解答選手権優勝。プロ入り(14歳2カ月)、初戴冠、二冠・八段昇格などで最年少記録を更新。師匠は杉本昌隆八段 (c)朝日新聞社

 将棋の勢力図が変わりつつある。8月には史上最年少で藤井聡太二冠(18)が誕生した。棋聖戦で藤井二冠に敗れるも、このほど悲願の名人を戴冠した渡辺名人(36)は、彼をどう見ているのか。AERA 2020年9月7日号では、藤井二冠との対局も含め、渡辺名人にじっくり話を聞いた。

【写真】藤井聡太二冠は「一人だけ小数点第2位まで見えている」と語った棋士はこの人

*  *  *
──王位戦の決着局になった第4局の初日の封じ手に、藤井二冠が選択した8七同飛成という手を驚く向きが多かったです。

 あれは普通の手で驚くようなことではないです。飛車を切るか逃げるかの二択しかないので、その人の棋風によります。あの対局に関して言えば、地味な正解手を積み重ねていくことで差を広げていった。そこが彼の技術であって、「この一手がすごい」というのはあの将棋に関してはありません。

──棋聖戦第2局で話題になった、渡辺さんの攻めに対する3一銀という受けも、AIで6億手読んで初めてわかる最善手ということで話題になりました。

 あの手は発見しづらいけれど、元々受けが好きな人であれば見つけられるかもしれないという手です。ただ、今回の棋聖戦で言えば、僕は1局目は鋭い終盤戦の攻めで負けて、2局目は逆に受けの手で負けるという展開になりました。攻めと受けを両方できるのが彼のすごいところ。攻めか受けかというのは棋風なので、受けの人は受けの手から考え始めると正解のゾーンにたどり着く可能性が高くなる。逆に、本来攻めなきゃいけない場面で受けの手を考えてしまうので、そういう場合は正答率が下がる。ところがその真逆の展開を両方やっちゃうのが彼の特筆すべきところなんです。こんなこと普通できません(笑)。

──高校生にして追われる立場になり、周囲が藤井二冠目掛けて対策を講じることになります。

 対戦相手になれば、そうなりますね。しかし目に見えた弱点はないので、その人なりに特化した作戦をどう練るか。あとは相手に毎回「負けてもともと」みたいに気楽にぶつかってこられるときついでしょうね。全部ストレートのタイミングで思い切りバットを振られて、当たればラッキー、三振して当たり前みたいな感じで。そういうところで、対戦相手にとって彼が「格上」になったことでどうなるかぐらいでしょうね、懸念材料というほどでもない。


トップにもどる AERA記事一覧

続きを読む

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい