北朝鮮が日本に弾道ミサイルを発射する場面では、韓国および在韓米軍基地を多く抱える米国との間の戦争になっている可能性が高い。朝鮮戦争の再燃、あるいは第2次朝鮮戦争である。

 その戦争が安全保障関連法で定めた存立危機事態に該当すれば、日本も参戦することになる。韓国政府の拒絶により、韓国の領土に立ち入るのは困難だとしても、自衛隊は米軍に追従する形で、兵器類を総動員して韓国の領空外、領海外からの攻撃に参加することになろう。

 その攻撃能力は、例えば中東など他の地域でも活用できる。敵基地攻撃能力の保有は、地域を選ばない「攻撃能力の保有」につながるのではないか。専守防衛の国是が危うい。(防衛ジャーナリスト・半田滋)

AERA 2020年8月3日号より抜粋