選手としては3度W杯に挑戦しましたが、日本代表を優勝に導くことはできませんでした。でも、諦めていません。指導者としてか、協会に関わることでなのか、育成や教育を通してなのか分からないけれど、何かしらの方法で目指し続けます。

 投資家としては4年前にファンドを立ち上げ、50社以上の企業に投資しました。スタートアップへの投資を通して途上国の貧困問題を解決したかったんです。一方、世界で最も裕福な国の一つである日本でも別の課題を感じていました。「孤独・退屈・不安」といった21世紀型の課題です。SNSを見ても、精神的な病(やまい)みたいなものが表れています。このタイミングでウェルビーイング、つまり幸福を追求するための挑戦をする起業家たちに一票を投じることに、使命感を持っています。新型コロナウイルスの流行もあり、苦しいという人も多いと思います。お互いギブアップすることなく、前進していけるよう少しでも体力を温存しておきましょう。

(構成/編集部・川口穣) 

AERA 2020年6月8日号

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川口穣

川口穣

ノンフィクションライター、AERA記者。著書『防災アプリ特務機関NERV 最強の災害情報インフラをつくったホワイトハッカーの10年』(平凡社)で第21回新潮ドキュメント賞候補。宮城県石巻市の災害公営住宅向け無料情報紙「石巻復興きずな新聞」副編集長も務める。

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