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ピーク試算は受診者1日42万人 “医師の死”が招く医療崩壊とその防衛策

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小田健司AERA#新型コロナウイルス#病院
AERA 2020年4月20日号より

AERA 2020年4月20日号より

 検査数を絞るため感染実態がわからず、院内感染で病院が機能停止、医療従事者は疲弊し、地方の医師不足も追い打ちをかける──。医療崩壊が現実味を帯びてきた。AERA 2020年4月20日号から。

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 新型コロナウイルスが国内で感染流行のピークを迎えるとき、どれほどの感染者が出てくるのか。その一つの目安を、日本医師会総合政策研究機構(日医総研)が公表している。

 それによると、全国で1日のうちに発症を疑って外来受診する患者数は42万6482人で、このうち重症者が7557人。東京都だけでも、外来受診者が4万5千人超にのぼり、約700人の重症者が出る──。

 これは、厚労省クラスター対策班に参加する北海道大の西浦博教授が示した計算式をもとに計算された数字だ。

「ものすごい数字が出ているということは承知していますが、公衆衛生学的な予防措置をしなかった場合を前提としています。イメージしながら体制を整えてくださいということです」(厚労省担当者)

 最悪に近い事態が現実のものとなるか否かは、我々一人一人の行動にもかかっている。だが、それ以外の懸念もある。医師で立命館大学生命科学部教授の下妻晃二郎氏が「特に心配だ」と考えるのが、地方の医療体制だ。

「地方の公立の病院を中心に、すでに何年も前から医療崩壊は始まっているのが現実です。医師の適正配置も行われず、診療科目にも偏りがあります。そこへ来て今回の新型コロナウイルスの問題です。そもそも感染症の専門医自体、国内でも少ないのですが、地方ではより手薄な状況であることは間違いありません。一気に患者が増えたときに、医療体制が突然、傾く可能性があります」

 地方の医療体制をめぐっては、すでにこんな事態も起きている。3月に大分市の国立病院機構大分医療センターで院内感染が疑われるケースがあり、感染者の転院先の一つの佐賀関病院は救急の受け入れを止めた。

 大分市の担当者は「元々患者が多くなかった」と影響は小さかったと説明するが、佐賀関病院がある大分市東部では、患者を受け入れられる救急病院が一時期、ゼロになった。


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