「妻として母として私は不良品」から「励まし合ってほめる」へ 発達障害を持つ女性たちの転換点 (1/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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「妻として母として私は不良品」から「励まし合ってほめる」へ 発達障害を持つ女性たちの転換点

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石臥薫子AERA#発達障害
ADHDで片づけられなかった体験を生かし、整理収納アドバイザーになった西原三葉さん。洗濯物の山だったソファもくつろぎの空間に(撮影/今村拓馬)

ADHDで片づけられなかった体験を生かし、整理収納アドバイザーになった西原三葉さん。洗濯物の山だったソファもくつろぎの空間に(撮影/今村拓馬)

AERA 2020年4月13日号より

AERA 2020年4月13日号より

 発達障害は、先天的な脳の機能の発達のアンバランスが原因で、得意なことと苦手なことの凹凸が激しいという特性がある。支援を得られず成長し、成人して母になってから、より大きな困難に直面する人も多い。AERA2020年4月13日号から。

【図を見る】教育現場からの声はこちら

*  *  *
 発達障害は先天的なもので、親や子どもの努力不足でも、性格の問題でも、しつけのせいでもない。そのことを押さえた上で、当事者の話に耳を傾けよう。

「自分は不良品なのではという思いをずっと抱えていました」

 そう打ち明けるのは、10歳の子どもを育てる女性(46)だ。小さい頃から動作が遅く、親から「早くしなさい」と急かされ、慌ててパニックを起こすと「落ち着きなさい」と注意され混乱してきた。知的障害はないが、派遣で働いた職場でも怒られてばかり。機敏に動けるようダイエットや筋トレにも励んだが、状況は変わらなかった。

「私が生きている間には解明されない病気かと思いましたが、黒柳徹子さんの『窓ぎわのトットちゃん』を読んだり、(自閉症がリアルに描かれた映画の)『レインマン』を見た時、ああ、ここに私とよく似た人たちがいた、とすごく共感しました」

 裏表なく純粋な女性に惹かれた現在の夫に交際を申し込まれ、31歳で結婚。医師からADHDとASDの重複を指摘されたのは34歳の時だ。その後、子どもを授かったが、子育てでまた大きな壁に直面した。

「複数のことを同時進行したり、臨機応変に対応したりするのが苦手なんですが、子どもが小さければ小さいほど、母親にはそれが求められます。でも頑張ってもできないんです。赤ん坊が泣いても何を求めているのかがわからなくて。抱っこしたまま玄関で途方に暮れているのを近所の人が助けにきてくれたこともありました」

 だが、家族や周囲のサポートに限界があり、数カ月、子どもを乳児院に預けることになった。

 3人の子の母親で40歳の時ADHDの診断を受けた女性(46)は頭の中をこう例える。

「いろんなアイデアを思いつくので付箋がいっぱい。だけど整理して貼れないので、探すのに時間がかかる。付箋を貼れるスペース自体も狭いし、貼ってもすぐ剥がれてしまう感じです」


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