「休んでなんかいられない。働いていない方がかえって体がむずむずするんです」(朝日新聞1994年8月3日付夕刊)

 25歳で、NHK紅白歌合戦の「最年少」白組司会者となり、その後も通算6度、司会を務めた。映画「模倣犯」「私は貝になりたい」のほか、ドラマ「ナニワ金融道」「白い影」「砂の器」「ATARU」などで主役を務め、俳優としての評価も高い。SMAP解散後も、「中居正広のニュースな会」や「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」などの冠番組を持ち、変わらぬ活躍を続けてきた。

 だが記者会見で、「解散してちょっとひと段落というか、僕自身もちょっとのんびりする時間」ができ、心境にも変化が現れたと中居さんは話した。20代や30代のときにあった「ギラギラ、よだれが出る感じ」が、湧き出てこなくなったという。

「それで半年から1年経って、2年すぎたとき、そろそろちょっと考えないといけないなと」「今までお世話になった会社を辞めてでも環境を変えないといけないなと思った」

 元SMAPのメンバーには報告したのかという質問には、

「昨日4人には報告しました。みんな(反応は)それぞれで、どんな内容かは言いませんけど」

 と正面から答え、「SMAP再結成」についての質問にも、

「ゼロではない。100パーセントないとは言えない。一人では決められないけど」

 と逃げなかった。

 2013年、40歳の中居さんはAERAのインタビューで「ご自身から見た『中居正広』はどんな人でしょう」と問われ、「うーん。僕が分析する僕ですか……。言えないですねぇ」と逡巡したうえで、こう答えている。     

「自分のことは自分ですごくわかっています。でも、そのチャックはまだ開けたくない。隠すわけではないのですが、中居正広が『中居正広』を話すのはまだかなぁ。もうちょっと、時間がかかりますねぇ」

 独立し、新しい扉を開くことで自ら「中居正広」を語る日はくるのか。同じインタビューで、中居さんは、「年を重ねることに抵抗は?」と問われ、こう答えていた。

「仕事だとやっぱり、しんどいなというのもいっぱいあります。でも楽な仕事よりも、プレッシャーを感じて『いくら準備しても太刀打ちできない』と思ったもののほうがあとで評価されたりする。僕は汗をかく、恥をかく、ものを書く、ということを意識しています。もう恥をかきたくない年齢ですが、新しいことをやって、しっかり恥と汗をかかないと成長しない」
 
 これから中居さんがどんな「新しいこと」を始め、どんな「汗」をかくのか。その報告を楽しみに待ちたい。(アエラ編集部)

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