親がデジタル機器を使いこなせるようになっても、安心してはいけない。ネット上のリスクを知らない親が、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性もある。AERA 2019年12月30日-2020年1月6日合併号は、親と共有すべきネットリテラシーとリスク管理を紹介する。
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セキュリティーのプロでも、詐欺メールを見分けるのは至難の業だと言う。詐欺メールに書かれたURLをクリックすると、そこはニセの銀行のサイト。言われる通り、銀行のパスワードなどを入力してしまい、口座の預金を引き出されるのもよくある手口だという。対策はこうだ。
「怪しいメールはもちろん、どんなメールでも、書かれたURLを直接クリックしないことです。例えば銀行のサイトへのリンクがメールにあったら、検索エンジンで調べて、その銀行の公式サイトに行き、問い合わせをすれば安心です」
また心当たりのないメールの添付ファイルを開くのも危険。少しでも怪しいと思ったら、まずはメールの件名や差出人をネットで検索するのがいいという。スパムは普通、大量にばらまかれるもの。同じメールを受け取った別の人からの報告が、詐欺メールかどうかのジャッジに役立つこともあるそうだ。
「どんなに注意していても、ネット上にはリスクがあるということを理解してもらうのが第一です。何か不審なことがあったら、さわらずに子どもに相談するのもいい」
それでもウイルスに感染したパソコンの中身がクラッシュし、大切な写真などが取り出せなくなってしまうといった被害の可能性はなくならない。
「高齢者にとっては思い出アイテムがなくなってしまうのは、ショックが大きいもの。帰省時には、子どもがバックアップを取ったり、クラウドの設定をするなどして、万が一の事態に備えるのがいいでしょう」
親世代にありがちな失敗として、OSのアップデートをせずに、ウイルス感染などの被害に遭うケースがある。