「パソコンでもスマホでも、セキュリティー強化のためにアップデートすることも多いのですが、高齢者は『今の機能で十分』という誤解から、アップデートしないことも少なくない。子どもから重要性を知らせることも必要ですね」

 子ども側のリスク管理が足りず、思わぬトラブルを呼ぶこともある。例えば実家に設置した見守りカメラののぞき見だ。

「インターネットには、世界中のウェブカメラをのぞき見できるサイトがあり、今も日本だけで1千台以上のカメラが、所有者が知らないまま、公開されています。原因は、初期パスワードを変更していないこと。初期パスワードはメーカーごとにだいたい決まっているので、変更しなければ、簡単にアクセスされてしまうのです」

 こうして見ると、インターネット黎明(れいめい)期から言われているリスクが、今なお改善されずに存在しているケースも多い。親にネットのリスクを知ってもらうこの機会に、子どもも一緒にリテラシーを身につけ、足元をいま一度チェックしておくことを勧めたい。(ライター・福光恵)

AERA 2019年12月30日号-2020年1月6日合併号より抜粋