バンドマンやミュージシャンって、扱いづらいと思われる人が多いんですよ。でも僕は意外と大丈夫。変わっている人がいたら、「めちゃめちゃ変わってますねー」って本人に言っちゃう(笑)。案外、それで仲よくなれるんやけどなあ。みんな、“猛獣的”な人を排除していっちゃうでしょ。僕は「それはかわいそうやん」って思います。

 KinKi Kidsとしても、ソロアーティストとしても、独自の立ち位置と世界観を築いてきた2人。これからの10年間、どんな道程を歩んでいくのだろうか。

光一:うーん、僕は10代の頃から、あんまり先のことを考えない方でして……。何となく進みたい方向はありますけど、「何歳までにこれをやる!」みたいな明確な目標を立てるのが好きじゃないんです。

剛:僕も10年後とか、全くわからないですね。音楽活動はやっているとは思いますけど。だって10年前に、まさかタッキー(滝沢秀明さん)が副社長になるだなんて、誰も想像してなかったでしょう?(笑)

光一:将来やりたいことより、今やるべきことをやる。例えば舞台なら、お客さんに見せられるクオリティーになるまで、必ず稽古を積み重ねる。でも、それを本番でどう表現できるか、そしてお客さんがどう感じるかは、自分のコントロールを超えた部分にあるものです。だから、自己完結的には考えない。それだけ周りの人に恵まれてるなとも思うし、チャンスをくれてありがたいなという気持ちもあります。

剛:これからも、僕がジャニーズという場所に対して貢献できることがあるのであれば、貢献し続けたいと思っています。どういう形であれ、KinKi Kidsは、ずっと続けられたらいいなと思ってる。でも、10年後には僕も50歳でしょう。何してるんでしょうね?

(ライター・澤田憲、編集部・塩見圭)

AERA 2019年12月9日号より抜粋