「人気グループであるがゆえに、自分たちのことを歌う曲がシングルになることは多くなかった。今回の楽曲はファンにとっても大切な曲になり、それ以外の人にとっても嵐をイメージするときに思い出す曲になるでしょう」
国際レコード連盟の最新レポートでは、日本の音楽市場の売り上げ規模は、米国に次ぐ世界2位。米国では韓国の人気アイドルBTSが10代を中心に大ヒットしている。「K-popの席巻も、今回の世界進出を後押ししたのでは」と柴さんは言う。
11月、ジャカルタ、シンガポール、バンコク、台北のアジア4都市で緊急会見を開く。SNS発信により、世界中どこからでも嵐の情報にアクセスできるようになった。
霜田さんは、嵐のさらなるブレークを期待する。
「TikTokで振り付け動画を配信予定と言っていました。05年にトラジ・ハイジがリリースした『ファンタスティポ』はCDに振り付け動画のDVDを付けて大ヒットし、修二と彰の『青春アミーゴ』は多くの人が振り付けを覚えて広まりました。動画が新たなファンを獲得するきっかけになるかもしれません」
こうした大胆な決定の背景には、生みの親である故・ジャニー喜多川さんへの思いがある。松本は会見でこう語った。
「全世界で音楽を楽しんでもらえる環境になることは、先日亡くなったジャニーさんの夢でもあった」
同時に「手探り」であるとも明かした。櫻井翔(37)はこうも言った。
「ファンの皆さんに喜んでもらえるものを届けていきたい」「やってみないとわからない」
生みの親の夢を背負って、ファンの思いとともに、5人は2020年の先へと突き進む。(文中一部敬称略)(編集部・福井しほ)
※AERA 2019年11月18日号より抜粋