「さが総文」で生徒たちと交流する秋篠宮さま。比重が高くなっている公務の負担軽減が今後の課題になると専門家は指摘する (c)朝日新聞社
「さが総文」で生徒たちと交流する秋篠宮さま。比重が高くなっている公務の負担軽減が今後の課題になると専門家は指摘する (c)朝日新聞社

 令和流の皇室のあり方が注目される中、天皇、皇后両陛下を支える秋篠宮家の存在感が高まっている。台風19号への対応で令和の皇室のパワーバランスを占うことができるという。AERA 2019年10月28日号に掲載された記事を紹介する。

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 令和の時代になり、天皇陛下(59)と皇后雅子さま(55)のお二人を以前にも増して支えてきたのが、秋篠宮さま(53)と皇嗣妃紀子さま(53)だ。

 7月27日、佐賀市で始まった全国高校総合文化祭(総文)。開会式に出席した秋篠宮さまは、佐賀清和高校の3年生で生徒実行委員会委員長を務めた佐藤雄貴さん(18)に、こう語りかけた。

「2年間かけて作り上げてこられたんですね」

「お疲れさまでした」というねぎらいの言葉に続いて、大会の規模について尋ねた。そばにいた紀子さまは、笑みを浮かべながら相づちを打っていた。

「お二人ともとても和やかな表情でした。とても緊張しましたが、めったにできない経験ができたのでうれしかったです」

 佐藤さんにとって忘れられない場面となったが、前出の近重さんは、夫妻の過密スケジュールが気にかかっていたという。

秋篠宮殿下と紀子さまは本当に、今の皇族方で一番お忙しい日々を過ごされていると思います。佐賀の総文は、それを象徴した出来事でした」

 宮内庁が公表している資料を見ると、夫妻は前日の26日に全国高校総合体育大会(インターハイ)の開催地である鹿児島市入り。27日はインターハイの総合開会式に出席した後、佐賀市へ移動。先述の総文の開会式に出席した。28日も2人そろって、総文の舞台となった佐賀市や小城市をまわった後、その日のうちにインターハイの会場がある鹿児島県薩摩川内市に戻り、バスケットボールの試合を観戦。同県霧島市でもフェンシングの競技を見守った。

 インターハイは、天皇、皇后両陛下が皇太子夫妻時代に七大行啓として担った公務の一つだった。秋篠宮夫妻に引き継がれたが、そこに、もともとの公務である総文が重なり、「ご多忙ぶりが如実に表れました」(近重さん)。本来2人で訪れるべきところ、単独で担っている公務もあるという。こうした負担を減らすためにも、眞子さま(27)と佳子さま(24)にもっと公務を振り分ける必要がある、と近重さんは指摘する。

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