幼少期は「暴力人間」と呼ばれ…虐待が与える影響をサバイバーが語る (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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幼少期は「暴力人間」と呼ばれ…虐待が与える影響をサバイバーが語る

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有馬知子AERA
※写真はイメージ (c)朝日新聞社

※写真はイメージ (c)朝日新聞社

インリバの会報の1ページ。3人の出会いの場面をヤマダカナンさんが描いた

インリバの会報の1ページ。3人の出会いの場面をヤマダカナンさんが描いた

和光大学で講演したインリバの橋本隆生さん(左)とヤマダカナンさん。活動報告などを載せているインリバのブログはこちらhttps://internareberty.hatenablog.com/(撮影/ジャーナリスト・有馬知子)

和光大学で講演したインリバの橋本隆生さん(左)とヤマダカナンさん。活動報告などを載せているインリバのブログはこちらhttps://internareberty.hatenablog.com/(撮影/ジャーナリスト・有馬知子)

 都内に住む会社員の橋本隆生さん(41)、漫画家のヤマダカナンさん、同じく都内在住のサクラさん(44)は、虐待を受けた当事者としてその実態を発信するプロジェクト・インタナリバティ(internaReberty=インリバ)を結成。痛ましい事件をなくしたいという思いから、自身の体験を語る講演などを行っている。幼少期に受けた暴力は、当時はもちろん、大人になった今でも彼らをさいなんでいるという。AERA 2019年10月7日号に掲載された記事を紹介する。

【インリバの3人の出会いを描いたマンガはこちら】

*  *  *
 義父から性的虐待を受けていたヤマダさんは、義父や母の周りにいた男たちへの怒りから、大人になると男性不信に陥り、あえて仕事に没頭した。コミックエッセー『母になるのがおそろしい』など体験に根差した著作もある。今の夫と結婚したのは、女性が働くことや、家事育児の分担に抵抗がなく「大嫌いな男性の中でも」価値観が似ていたからだ。潔癖症や耳鳴り、悪夢に悩まされた時期もある。何より、ほめられても「裏があるのでは」と勘ぐってしまい、他人をなかなか信じられない。

 9月17日、東京都目黒区で昨年3月に虐待死した船戸結愛(ゆあ)ちゃん(当時5)の母親優里(ゆり)被告(27)に懲役8年の判決が言い渡された。「優里被告への批判を知るほど、自分の母親も、私自身も責められている気持ちになる」とツイートした。

 2児の母となったが、子どもに「ハンバーグが軟らかすぎる」と言われただけで逆上し「じゃあ、もう食べなくていい!」と怒鳴りつけてしまうことがある。「生まれてこなければよかった」という漠然とした思いや、「虐待してしまうのではないか」という不安と日々闘う自分に、優里被告への批判が突き刺さる。

「結愛ちゃんも母親が好きだったと思う。母子を一緒に救う手立てはなかったのか」

 サクラさんは、小学校に上がる前から一日のスケジュールを母親に細かく決められていた。「ふとんをたたむ」「食器を片付ける」「英語の教材を終わらせる」

 チェック表にはきまりごとが並び、◎、◯、△、×の4段階で母が評価する。△や×の時は、お仕置きが待っていた。

 食が細かったサクラさんは、とりわけ「ごはんを時間内に残さず食べる」というきまりを守れなかった。食事の後、母の前で正座して「明日から〇になるよう、頑張ります!」と声を張り上げた。そうしなければ、叩く、蹴る、殴るという母の暴力がエスカレートするからだ。


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